小説:あしたてんきになぁれ 第3話 病院のち料理

援助交際で稼ぐヤンキーギャル・亜美と、自殺未遂を繰り返す地味な女の子・たまき。二人はクラブのトイレで倒れている少女を見つける。少女の名前は志保。明日がどうでもいい亜美、明日が怖い志保、明日がいらないたまき、3人の物語がいよいよ始まる。

「あしなれ」第3話、スタート!


第2話 夜のち公園、ときどき音楽

登場人物はこちら ⇒「あしたてんきになぁれ」によく出てくる人たち


たまきはパニックだった。

ただ、パニックだったと言っても、慌てふためくとか、喚き散らすとかそういうのではなく、ただただ目の前の状況を飲み込めずに、ぼうっと見ていた。

トイレのタイルの上に倒れていたのは、白い、透き通るような肌の少女だった。

だが、不思議と、きれいとは思わなかった。

たまきは亜美(あみ)の方を見た。

亜美はというと、あんぐりと口を開けたまま、倒れている少女を眺めていた。亜美もまた状況が呑み込めずにいるらしい。

「亜美さん……どうしよう……」

たまきが不安げに亜美の方を見ながら尋ねた。

「どうしようって……とりあえず、ヒロキ呼んできて」

「うん……」

たまきは頷くと、トイレを出てとぼとぼと歩いて行った。

冷静に考えれば、救急車を呼ぶ状況なのだろうが、それが思い浮かばないくらい、亜美は動揺していた。また、冷静に考えれば、走らなきゃいけない場面なのだろうが、とぼとぼ歩いてしまうくらい、たまきも動揺していた。

亜美は少女の傍らにかがみこんだ。

ふと、少女の横に落ちている何かを亜美は見つけた。

「これって……」

亜美はそれを拾った。

 

ヒロキがトイレに到着した。

ヒロキは無言で、それを見下ろしていた。

「ヒロキ、どうしたらいいと思う?」

亜美が尋ねた。

「どうしたらって、救急車だろ、フツー」

「あっ」

二人は、そこで初めて顔を見合した。

「後、こんなん落ちてたんだけど……」

亜美は、赤いハンドタオルに包んだ拾い物を見せた。

「……なるほど……」

それを見ただけで、ヒロキはすべてを察したようだ。

「しかし、だとすると余計まずいな……」

「何が?」

亜美が尋ねた。

「この店が犯罪の温床だっていうのは聞いたことあるだろ?」

「まあ、噂なら……。」

「だからこういうのとか、救急車とかそういう騒ぎを避けたがると思うんだ。警察に目をつけられたくないからな。救急車を呼ぶことを許してくれるかどうか……。」

「じゃあ、どうするの?」

「……先生に連絡したほうがいいんじゃねぇの?」

「わかった。」

たまきは、二人の会話の内容についていくので必死だった。

そんなに年は変わらないはずなのに、なんだか二人が大人に見えた。人とかかわるのを避けてきたものと、人と交わりあい、群れあってきた者の違いだろうか。

 

亜美は電話を切った。

「先生が車でこっち来るから、通り沿いで待ってろだって」

「救急車は呼ばなくていいんですか?」

「先生の家からなら、救急車より早く来れるんだってさ」

ヒロキの道案内で、店の外までたまきと亜美は少女を運ぶことになった。

亜美が頭を、たまきが足を持つ。たまきの肩には少女のものと思われる白いショルダーバッグ。

二人で運んでいるとはいえ、少女の体は身長にそぐわず軽かった。

店のスタッフに「病人が出た」といって裏口から出してもらう。

ぐるりと回って大通りに出ると、すでに舞(まい)の車が来ていた。黒いワゴン車で6人は乗れるはずだ。

舞はすでに車の前で待ち構えていた。

京野(きょうの)舞(まい)。もともと医者だったのだが、今は医療系専門のライターとして食べている。医者としてたまきや亜美の面倒を見ている。

亜美は舞のところに駆け寄った。

「聞いたぞ亜美、トイレで倒れてたんだって?」

舞は亜美をじろりとにらみつける。

「またトイレかよ。アンタ、トイレの神様でもついてるんじゃないの?」

トイレの神様って、そういう神様だったっけ、とそばで聞いていたたまきは思った。

「アンタ、三か月はトイレに入んない方がいいかもね」

「そんなぁ、無理ですよ」

「そんなことより……」

そこで舞が声のボリュームを落としたので、たまきには二人の会話はよく聞こえなかった。亜美が鞄の中からハンドタオルにくるんだ何かを見せて、舞が難しそうな顔をする。

やがて、亜美が戻ってきた。舞は携帯でどこかに電話していたが、やがて電話を終えると車の中の少女を見た。

「走りながら状況を聞く。お前ら乗れ。1分で病院に行くぞ」

言われるままに亜美とたまきは車に乗った。

「よし、ヒロキ、あんたが運転しろ。あたしはその子を診てる」

ヒロキは無言でうなづき、運転席に乗った。舞は最後尾で横たわる少女に声をかけた。

「大丈夫。もうちょっとだけ頑張れ」

 

画像はイメージです

ネオンきらめく大通りから歓楽街に入る。カーラジオからは、若い男性アイドルの歌。

「ところでたまき、けがの調子はどうだい?」

舞が少女の顔色を見ながら言った。

「……大丈夫です」

たまきがボソッと答えた。

「亜美、お前はちゃんと月に一回検診に来なさい! 今月、まだ来てないでしょ!」

「大丈夫だよ、そんなの」

げ、という顔で亜美が答えた。

「え、亜美さん、どこか具合が悪いんですか?」

たまきが尋ねる。

「性病にかかってないかの検査だよ。セックスワーカーの基本」

舞が答えた。

「ヒロキ、アンタも最近こないね。ケンカ、やめたんだ」

「ちげーよ。けがしねーようになっただけだよ」

ヒロキが笑いながら答えた。

医者がこんなに余裕なら、たぶん大丈夫なんだろうな。

たまきはすぐ後ろの座席で横たわる少女を見ながら思った。

「しかしお前ら、何で救急車じゃなくてあたしに電話した?」

舞の問いに、先ほどのヒロキの考えを述べたのは亜美であった。救急車が着たら、店に迷惑がかかる。

しかし、舞は、「バーカ」と一言いうと、言葉を続けた。

「何も店のすぐそばに呼ばなくたっていいだろ。店から少し離れたところにきてもらえばよかったんだよ」

「あっ」

三人が同時に声を上げた。

「ま、うちから車出した方が早いし、もしかしたら、この子にとってはそれが良かった、なんてことになるかもね。そろそろ着くか」

舞は、後ろの座席で寝ている少女に少し目をやって言った。

 

病院につくと、医者らしき男性が出迎えた。

舞は車を降りると、男性と話し始めた。どうやら知り合いらしく、先ほどの電話の相手は彼のようだ。

やがて看護師たちがストレッチャーを持ってきて、少女をそれに乗せると、病院の中へと消えていった。

舞も男性医師と一緒に治療室へと入っていく。

「さてと」

そういうとヒロキは、踊りたりねぇと言って、来た道を戻っていった。

「……亜美さんは、どうするの?」

たまきは、少し背の高い亜美を見上げながら訊いた。

「残るよ。乗りかかった何とか、ってやつだ。たまきも残りなよ。今の時間、一人で帰るのは物騒だから」

たまきとしては、一刻も早く「城(キャッスル)」に戻りたかったのだが、そういわれると、残るしかない。

何より、ひとりで「城」までたどり着ける自信がない。

 

小田病院は、9階建ての総合病院だ。待合室も昼間なら患者でごった返しているのだが、夜の十時となると、誰もおらず、座っているのはたまきと亜美の二人きり。時折看護師や、パジャマを着た入院患者が点滴しながら歩いていくくらいだ。

静かである。音がすべて、白い壁と黒い影に吸い込まれてしまったみたいだ。

たまきは、壁にかけられた時計を見る。

夜の十時。

ちょうど、昨日、たまきが寝ているところに、亜美がミチを連れてきたのがこのくらいの時間である。

なんだか怒涛の二十四時間だった。実はそのうちの半分以上は、「城」でゴロゴロしていただけなのだが、それでも、たまきにとっては怒涛の二十四時間だった。

もしかしたら生涯で初めてだったかもしれない、「密室で男性と二人きり」。それから自分の過去に触れてしまい、大泣き。そのあと珍しく外出したら、ミチと再び会い、絵を見られる。さらに無理やりクラブに連れて行かれ、トイレで少女を発見する。

薄汚れた背もたれに寄りかかり、ふうっと息を吐いた。隣の亜美を見ると、携帯電話をピコピコいじっている。

 

深夜零時。亜美はゲームのキリのいいところで携帯電話から顔を上げた。隣のたまきはいつの間にか寝息を立てて、亜美の肩に首を預けて寝ている。

足音がした方に顔を向けると、舞が歩いてきた。

「終わったぞ」

舞はそういうと、手に持っていたコーラの缶を開けて飲み始めた。

「助かったの?」

「患者を死なせた直後に、コーラを飲む神経は持ち合わせていない」

亜美の問いに、舞は口からコーラのシーオーツーを吐きながら答える。

「じゃ、助かったんだ」

舞は無言でうなづいた。

「さてと、それじゃ、」

舞は一度言葉を切った後、続けた。

「あの子連れて帰るぞ」

「はーい。……えぇっ!」

亜美は大きく目を見開き、舞の方を見た。

「入院するんじゃないの?」

「医者の家に連れて帰るんだ。問題はないだろう。病院の許可はとってある」

舞はそういうと、コーラの缶に口をつける。

「たまき、帰るよ、起きて」

亜美はたまきの肩をゆすった。たまきは眠気交じりの声を上げた。

 

十二時半。たまきが舞の部屋のドアを開ける。まずたまきが部屋に上がり、電気をつける。白い壁が明かりに照らされる。

半開きになったドアを舞が足でさらに開けると、背中から部屋に入った。舞が少女の肩を持ち、亜美が少女の足を持っている。

寝室のベッドの上に少女を寝かせると、舞は棚の上からカップめんを三つ取り出し、お湯を注いだ。

「食え」

舞はそういうと、二人の前にカップめんを置いた。

「酒とかないんすか?」

亜美はそういうと、まるで自分の家のように冷蔵庫を開けた。

リビングルームにはドアのそばに、長方形のテーブルがあり、最大4人が座って食事ができる。その奥には二人掛けのソファと小さなテーブル、テレビがあり、ドアの反対側にある窓のそばには小さなデスクがある。デスクの上は本やら資料やらで散らかっており、雪のように積もった紙の隙間から、かろうじてノートパソコンが見える。

亜美は食卓の窓に近い方のいすに腰掛け、だらりと背もたれに体を預けている。たまきは、ソファの上で体育座りをしている。

三人はカップめんをすすっていた。テレビからはお笑い芸人の笑い声が聞こえる。

亜美は酒を片手にカップめんをすすっていた。もちろん、いけないことだが、舞は止めても無駄だという感じで亜美を見ている。

 

たまきは麺を食べ終わった。麺を食べ終わっただけで、スープはすべて残してある。同じタイミングで、亜美は麺とスープを完食し、ビールも一缶飲み終えた。

「ところで、あの子、何の病気だったんですか。」

たまきがつぶやいた。

舞は立ち上がると、少女の眠る寝室のドアを開け、中に入った。

茶色い長い髪。長いまつげの伏せられた眼。

眠っていても、たまきには少女が美人であることがわかった。

少女は長袖を着ていた。こんな時期に長袖を着るのは自分くらいと思っていたたまきは少し驚いた。

舞は、少女の右の袖をまくった。

少女の腕には、血のように赤い無数の点があった。。

「何ですか、これ?」

たまきは覗き込んだ。

少しの沈黙の後、舞は口を開いた。

「……注射器の跡だよ。」

薄暗い部屋を、さらに静寂がつつんだ。

「……注射器って……つまり……。」

たまきの疑問を遮るように、舞は答えた。

「検査で、この子の血液中から覚せい剤が検出された」

たまきは絶句した。少女は見たところ、自分とそんなに年が変わらない。自殺未遂を繰り返す自分が言えたことじゃないが、なぜこんな子が覚せい剤なんか……。

「だからここに連れてきた。あの病院にいたら、通報されるからね」

「なんでこんな子が覚せい剤なんか……。だって、覚せい剤って、どっちかっていうと亜美さんみたいな人が……」

「どういう意味だそれは! ウチだってさすがにドラッグは手を出してねーよ!」

ドアの向こうから部屋の中を見ていた亜美が大声を出した。

……快楽第一主義の亜美ですら手を出さないドラッグに、なぜこの子は手を出したのだろう。

「さてと、なんか持ってないかなぁ」

そういうと、亜美は少女のカバンの中をあさり始めた。

「ちょっと、亜美さん、何やってるんですか!」

たまきが亜美をたしなめる。

「別にとりゃしねーよ。何か、身元がわかるもんねーかなーと思って」

たまきは、次に自殺するときは、絶対に所持品のない状態にしようと思った。もし、死体が亜美みたいな人に見つかったら、何を見られるかわかったもんじゃない。

「お! 財布はっけーん」

亜美は人の財布の中身を見始めた。

「お! こいつ、結構持ってるぞ」

「亜美さん!」

「大丈夫。取ったりしねーって」

財布の中からは、数人の福沢諭吉が顔を出していた。

「クスリやるには金が要るからね。自力で稼いだか、犯罪に手を出したか、親からとったか……。確かに、そのくらいの年の子が持つにはおかしな金額だな」

舞が煙草に火をつけながら言った。

「お! 学生証はっけーん!」

亜美は、財布の中の、カードや会員証などを入れるポケットから、少女の写真の入ったカードを出した。たまきも、いけないと思いつつも思わず覗き込む。

学生証に描かれた少女の写真は、やはり美人だった。ぱっちりとした目、高い鼻、茶色く長い髪。そして、笑顔。

たまきには、こんな素敵な笑顔のできる人が、なぜ、覚せい剤などに手を出したのかがわからなかった。昔からほとんど笑わず、無理に笑えば似合わない、不気味だ、気味が悪いと言われてきたたまきには、こんなに美人で、こんなに笑顔が似合う人がなぜ……という思いが消えない。

「神崎(かんざき)志保(しほ)。星桜高校二年。」

亜美が生徒手帳に書かれた文字を読み上げる。たまきは、身分を証明する一切を家に置いてきてよかったと思った。もし、持っていたら、自殺して、亜美みたいな人に見つかった場合……。

「星桜高校? へぇー。進学校じゃん」

舞は灰皿にタバコの火を押し付けながら言った。

「先生、知ってるの?」

亜美が尋ねる。

「知ってるも何も、東京の女子はみんな一度はあこがれるものさ。偏差値高いし、制服はかわいいし」

「ウチ、東京の女子じゃないもん」

「……私も……」

「何だ、お前ら、東京出身じゃないのかい。じゃあ、どこの出身だ?」

とたんに、亜美は舞から目をそらし、たまきは下を向く。

「……言いたくないってか……。」

舞は二本目の煙草に手を伸ばした。

下を向いたたまきは、亜美の足元に転がっていた少女「志保」のカバンが目に入った。

人のカバンの中身を見てはいけないと思いつつも、たまきはカバンの中に手を伸ばした。

たまきの手がつかんだのは、手帳だった。

手帳にはプリクラが貼ってあった。「志保」を含む、たくさんの少女が写ったプリクラ。オレンジ色の字で「ずっとともだち」と書かれている。

別のプリクラは、「志保」と同じくらいの年の少年と映っているものだった。今度はピンク色で「だいすき」と書き込まれている。

「たくさんの友達」、「彼氏」。たまきがどれほど望もうと手に入らなかったこの二つを「志保」は持っているらしかった。なのになぜ、「志保」は覚せい剤なんかに手を出したのだろう。

 

写真はイメージです

頭が痛い。志保の目を覚ましたのは、グワングワンと揺れるように響く頭の痛みだった。

起き上がる。一瞬、痛みは高まったが、少しずつおさまってきた。あたりを見渡す。

知らない部屋だった。志保が寝ていたベッドは右側の白い壁沿いに置かれており、反対側の壁には本棚やCDラックが置かれている。そして、志保自身は覚えのないパジャマを着ていた。

部屋の中を見渡した志保は、ベッドのわきのいすに座り、こちらを見ている人物に気付いた。

黒い髪に黒いメガネ、黒い長袖の服を着た少女だった。メガネの左側のレンズはほとんど前髪に隠されている。メガネの奥の、眠たげに開いた眼はあどけなさが残るが、どことなく、生気というものを感じさせない。右手首の白いのはよく見れば包帯だった。

志保は少女と目があった。少女は、一言、

「あ、起きた」

とやはり生気を感じさせない声でつぶやくと、部屋の外へと出て行った。

「先生、亜美さん、起きました」

やがて、少女と共に女性二人が入ってきた。

一人は、二十歳前後の女性だった。金髪の長い髪。思わず目を背けたくなるほど露出の高い服を着ている。

もう一人は三十代前半と言ったところか。黒髪のストレート。煙草をくわえ、エプロンをしてた。

黒髪ストレートの方が志保へ近づいた。

「おはよう。気分はどうだい」

「え……、ちょっと頭が痛いですけど……」

志保は問われるままに答えた。

「うん、大丈夫だ」

「あの……、ここはいったい……」

志保は周りを見渡しながら尋ねた。

「昨日のことは覚えてる?」

「……なんとなく……」

「アンタはクラブで覚せい剤を打って倒れた。認めるね」

「……はい……」

「クラブで倒れてひっくり返っているところを、ここにいる亜美とたまきが見つけて、アタシのところに連絡してきた」

「あの……、あなたは……」

「京野舞。医者」

黒髪ストレートはそういうと、煙草の煙を吐き出した。

「薬物中毒なんて、さすがにウチじゃどうにもならないから、知り合いの病院に連れてって治療した。そんで、連れて帰って、今に至る。以上!」

志保の心の中には不安が募っていた。この人は自分が薬物中毒であることを知っている。っていうことは……。

「……あたし、これからどうなるんでしょうか……。やはり、警察でしょうか……」

「そんなの……」

医者の女性はそういうとくるりと背を向けた。

「自分で決めな。さあ、メシにするぞ」

 

ドアの向こうはリビングルームとなっており、長方形のテーブルに、湯気と香りが沸き立つ料理が並べられていた。壁の時計は十二時を示している。日差しが窓から差し込む。テレビからは女性タレントの笑い声。舞が最初に腰を下ろし、残りの三人はそれぞれ、舞に支持された場所に座った。黒髪メガネの少女の名はたまき、金髪少女の名は亜美というらしい。

隣には亜美、正面には舞、はす向かいにたまき。

「先生、なんか、ウチとたまきと志保、量ちがくない?」

志保は命の恩人とは言え、初対面の人間に呼び捨てにされるのが何か納得できなかった。

「当然だろ。一人一人、症状が違うんだから」

そういうと舞は、隣に座ったたまきを見た。たまきの前にはご飯とみそ汁、そして中盛りの肉野菜炒めが湯気を立てている。

「お前はまず食べろ。量を食べろ」

次に舞は志保を見る。献立は一緒だが、肉野菜炒めは肉の割合が多い。」

「アンタはやせすぎ! もっと肉を食え!」

「せんせー、うちも肉食いたい!」

亜美が不満を言った。亜美の肉野菜炒めは野菜多めだ。

「お前はどうせろくなもん食ってないんだろ。野菜食え。」

亜美は渋々、箸をつけ始めた。

 

豚肉を頬張りながら、志保は隣の亜美と、はす向かいのたまきを見ていた。

たまきは左手の箸でつつくように食べていた。もやしをピンセットみたいに箸でつまんで、小さな口へと入れている。そのスピードも遅く、料理に手を付けることなく、ぼんやりと皿の上も見ているときもある。

食欲がないんだろう、と志保は思った。志保にもそういうときがある。

一方、亜美はたまきの三倍のスピードで野菜炒めを食べていた。かきこむ、といった感じだ。

ただ、皿の一角にはピーマンがたまっている。わざと残しているようだった。

志保は疑問だった。この二人はいったいどういう関係なんだろう。姉妹? 友人? 先輩後輩?

だが、いずれもしっくりこない。この二人、あまりにも違いすぎるのだ。

たまきは全身黒ずくめ、といった感じだった。たぶん、カラー写真で撮っても、白黒写真で撮っても、そんなに変わらない。上から黒い髪、黒いメガネ。夏には珍しい、黒い長袖の服に黒いロングスカート。さらには黒い靴下。

だが、最も印象的なのは、メガネの奥の目だった。左目は、メガネの前で目を覆うように隠している前髪で見えない。しかし、右目だけで十分印象に残った。

あどけなさを残す目だ。だが、生気というものが感じられず、誰とも目を合わせない。初対面の志保はもちろん、舞、亜美とも目を合わせようとしない。

一方、亜美は正反対だった。金髪の長い髪を後ろで結んでいる。袖がなく、胸の谷間を強調した服。腿まで見えるパンツ。捕まらない範囲で見せられるところはすべて見せている、といった感じだ。右肩には小さな青い蝶の入れ墨が、舞い飛ぶように彫られてある。

よくしゃべり、よく笑い、よく食べる。悩みなどなさそうに笑っている。

 

「で、この後どうするの?」

舞が箸を置き、志保の目を見ながら尋ねた。志保は目を伏せた。

「……警察でしょうか……」

志保は三十分前と同じセリフを口にした。

「アンタがやっているのは、立派な覚せい剤取締法違反。アンタの年なら少年院行きだ。けどね……」

そういうと、舞は目に力を込めた。

「少年院で、あんたの病気が治るとは限らない。っていうか、アタシには思えない」

「病気……」

志保は、舞の言葉をオウムのように繰り返していた。

意外。そんな目をしている。

「少年院に行く女ってのは、薬物中毒者が多いんだ。そんな連中が同じ雑居房で暮らしてみな。確かに、社会と隔離することで、強制的に麻薬に手を出さなくなるかもしれないけれど、横のつながりってのができる可能性は否定できない」

そこまで言うと、舞は、コップの中の水を飲んで、言葉を続けた。

「薬物中毒者に対する対処は、なにも、刑務所だけじゃない。最近は、薬物中毒専門の病院や、施設があるんだ。そういうところに行くって道もある」

舞は、志保に一層近づいた。

「どっちに行くかは、アンタが決めな。警察行くってんなら、付き添ってやる。病院行くっていうなら、紹介してやる」

志保の中では、「病気」という言葉が響いていた。

そんな二人の会話を割るように、亜美が目を輝かせながら尋ねてきた。

「ねえねえ、何でドラッグなんてやったの?」

「えっ?」

志保はたじろいだ。

「……亜美さん……!」

たまきがボソッと声を上げた。

「そういうこと聞いちゃだめですよ」

「別にいいじゃん。ウチら、こいつの命の恩人だよ?」

「恩着せがましいですよ。私、亜美さんの、そういうところ、なんていうか……」

たまきはそこで言葉を切って、しばらく考えてから、言葉を続けた。

「……苦手です……。」

「たまき、はっきり言ってやっていいんだぞ。嫌いなら嫌いって」

食事を終えた舞が、煙草に火をつけながら言った。

「……怖かったんです……」

三人の会話を、志保のかすかな声が遮った。

「え?」

「明日が来るのが……怖かったんです……」

それっきり、志保は下を向いたまま、話さなくなった。

「明日……」

亜美とたまきは、異口同音につぶやいていた。

しばらくして、志保が口を開いた。

「……警察、行かなくていいんですか?」

「医者としてはそっちを勧めるね。法律的にはアウトだとしても。ちゃんと治療を受けるなら、アタシはあんたを通報したりしない」

病気なんだ……。治せるんだ……。そんな思いが志保の中に芽生えていた。

「……よろしくお願いします……」

志保はそう言った。

 

食事も終わり、舞は皿洗いを始めた。

「手伝います」

志保が舞の横に立ち、皿を洗い始めた。

「お、慣れてるねぇ。料理とかするの?」

「まあ、一応……」

「そういえばさ……、アンタ、家はどこ? 親は……?」

その質問に、志保は顔をうつむけた。

「おいおい……コイツもかよ……」

二人の会話を聞きながら、亜美は見ながらぼんやりと煙草を吸っていた。

「……料理か……」

亜美は天井に向かっていく白い煙の帯を見ながらつぶやいた。

「……使えるな」

それを聞いて、たまきはにがそうな顔をした。

「……また悪巧みですか?」

「ウチがいつ、悪だくみをしたよ?」

「……私を助けたのも、悪だくみだと思ってますけど……。で、何、企んだんですか?」

「料理だよ。料理が足りなかったんだよ」

亜美は煙草を灰皿に押し付けた。

「ウチんとこに来る男がみんな『お前は色気があるけど女っ気が足りない』っつってるんだよ」

「……私はどっちもないですけどね……」

「アバウトな言い方だろ? 『色気』と『女っ気』ってどう違うんだよ。で、ずっと考えてたんだけど、『女っ気』っていうのは『女の子らしさ』だと思うんだよ」

「……『色気』と『女の子らしさ』はどう違うんですか……」

「……いや、わかんねーけど……。まあ、で、どうしたら『女っ気』が出てくるか考えてたんだけど、やっぱ、『料理』だと思うのよ」

「……女の子が料理できなきゃいけない、っていう時代はもう古いと思いますよ。現に、私たち二人とも、料理できないじゃないですか」

「わかってないなぁ。要は、オトコがオンナに何を求めてるか! 『オトコの理想のオンナ』をいかに演じるか。それがわかんないから、あんたはモテないんだよ」

「……別にモテたいと思ってないし……」

「てなわけでだ」

亜美は、体ごとたまきに向きなおった。

「ウチはあの子を『城』に迎え入れようと思うんだ」

たまきが「やっぱりね」と言いたげに亜美を見た。

「やっぱり、ビジネスは日々進化させないと」

そう言って亜美は笑うと、首を志保の方に向けた。

「志保―っ! あんた、行くとこないんでしょ? ウチこない?」

「え?」

志保が驚いたように振り返った。

「家出してるんでしょ? ウチらも同じ。ウチんとこきなよ」

「アンタねぇ。薬物中毒者と一緒に暮らすということがどういうことか……」

舞はそこまで言いかけたが、そこでしばらく黙った後、

「フム。まあ、やってみれば?」

と、娘にペットを許可するような口調で言った。

「あ……じゃあ、行くとこないし……、お世話になります……」

志保は、ぺこりと頭を下げた。

 

写真はイメージです

「……ここ……お店だよね?」

ネオンきらめく雑居ビルの5階。白く光る「城(キャッスル)」と書かれた看板を前にした志保が言った。

「ここはね、ウチらの城」

そういうと、亜美はドアを開けた。

ほのかな電灯をつけると、二人暮らしには広い間取りに、壁に沿っておかれたソファと、三つのテーブルが見える。

テーブルの上は雑誌やリモコン、ぬいぐるみなど、生活感にあふれている。誰に説明されなくても、志保はこの店がすでに営業していないことがわかった。

「二人は何の仕事してるの? この部屋、っていうか、店、家賃とか……?」

「ウチ? ああ、援交」

「援交!?」

志保が目を丸くして声を上げた。

「気を付けてください。ここに平気で連れ込みますから」

たまきがボソッと忠告する。

「……たまきちゃんも、そういうことするの?」

たまきは慌てて、「私は全く関係ありません」と言わんばかりに首を振った。

「私は、そういうの興味ありませんから……。結婚する気も、子供作る気もないですし……。……たぶん、そういう年になるころには、この世にいないと思うし……」

「ええっ!?」

たまきが最後にボソッと言った言葉に、志保はまた目を丸くした。

「たまきちゃんって……何かの病気なの!?」

「ああ、そいつはね、死にたがり病なの。志保も気を付けてよ。ちょっと目を離すとそいつ、すぐリストカットしようとしたり、屋上から飛び降りようとしたりするから」

「……そうなんだ……」

志保は亜美の方を向いた。

「じゃあ、ここの家賃は、亜美ちゃんのその、援助交際で払ってるってこと?」

「家賃? ああ、払ってないよ」

「はい!?」

「……まあ、不法占拠というやつです」

たまきがボソッと補足する。

亜美はカウンターの方へと歩いて行った。カウンターの中には、店だった頃はボトルが並んでいたと思われる棚があり、簡単な厨房も見える。

「ここが、志保に腕を振るってもらう厨房」

「あのね、亜美ちゃん、さっきも言ったんだけど、料理はできるけど、そこまで上手ってわけじゃ……。」

「いいんだよ、作れれば。ウチら、どっちも料理できないんだし。たまきも、『城』でおいしいもの食べたいもんなぁ」

「……私は別に食にこだわりはないんで……」

たまきはボソッと訂正した。

 

食事をして、銭湯に行って、そのあとは思い思いの時間を過ごしていた。

たまきはもう寝ると言ってソファの上に横になった。亜美は煙草を吸うと言って屋上に行った。

志保はわずかに開いたキッチンのカーテンから月を見ていた。

昨日の今頃はこんな風になるなんて、考えてもいなかった。

昨日の今頃。確か、ドラッグを打って……。

急に背中から生まれた悪寒が全身をつつむ。志保は、思考を切り替えようと後ろを見た。

たまきがこちらを見ていた。横になっているにもかかわらず、メガネをかけ、じっと志保の方を見据えていた。

 

たまきには分からなかった。志保はなぜ、ドラッグなんかに手を出したのか。

今日一日、志保を見ていたが、志保はいたって普通の女の子だった。受け答えからも、育ちの良さ、頭の良さがうかがえた。

さらに、亜美ともすぐに打ち解けてしまった。

舞の家から「城」への帰り道、たまきは、亜美や志保の少し後ろを歩いていた。

二人は、それこそもう数年来の友人であるかのように話していた。元彼の話、お互いの通っていた学校の話、食べ物の話、etc……。

たまきはその少し後ろを歩く。自ら会話に加わることはないし、話しかけられても、ボソッと、最低限のことしか言わない。

こういう人たちはいるのだ。新学期、クラス替えとかでいきなり友達を作れる連中が。

それができれば、人生はきっと楽しい。たまきはずっとそう思っていた。

今、目の前にいる二人は間違いなく「友達作りスキル」のある人間である。たまきから見れば、勝ち組のはずだった。

だから、わからない。一方は学校というレールから外れ、一方はドラッグに手を出す。

自分がダメなのは、友達を作れないからだ。そう考えてきたたまきにとって、友達作りスキルを持っているにもかかわらず、自分と同じように枠から外れた亜美と志保は不思議でしょうがなかった。

自分がダメなのは、友達がいないからではないのか? それとも、論点が違うのか?

特に、志保はたまきが届かなかったもの、すべてを持つ存在だった。

だから余計にわからない。こんなにも他人に関心を持ったのは初めてではないだろうか。

ふと、志保と目があった。たまきは青いタオルケットを頭からかぶった。

「一つだけ聞かせてください」

タオルケット越しに薄暗い闇を隔ててたまきの声が志保の鼓膜に届く。

「明日が怖いって……どういうことですか……」

答えはきっとそこにある。

たまきの問いかけを聞いた志保は、少し微笑んだ。自嘲の色を帯びながら。

「志保さんは……。」

「もう志保でいいよ。年、そんなに変わんないんでしょ」

「……志保さんは、学校にちゃんと通えて、友達がいて、何で、ドラッグなんかに……。」

何てレベルの低いことを言っているんだろうと、たまきは思った。学校に通い、友達を作る。そんなの、最低ラインじゃないか。それにすら到達できない自分は何てクズなんだ。

そんなことを考えているたまきに、志保は優しく言葉をかけた。

「あたしの通ってる、ううん、もう一月ぐらい行ってないから、通ってた高校か。自分で言うのもなんだけど、結構、頭のいい学校なの。だから、入るのすっごい大変だった。相当勉強した」

志保の長いまつげが、月明かりに照らされる。

「親はすっごい喜んでね。もちろん、あたしもうれしかった。すぐに友達もできたし、夏休み前には彼氏もできた。自分でも、順調な高校生活だと思った……」

たまきにしてみれば、おとぎ話のような話である。

「でもね、順調だと思えば思うほど、ぼんやりと見えてきちゃうんだ、自分の明日が。このまま普通に大学行って、普通に就職して、普通に結婚して、普通に子供産んで育てて、普通に老後を送って、普通に死んでって。そう考えたら、急に怖くなったの」

「……それで……ドラッグに?」

たまきはますますわからない。

「ま、それだけじゃないけどね。でも、きっかけはそうかな」

順調だけど、順調だから、明日が怖い。

でも……。

でも……。

「そんなの……」

贅沢だ。たまきが言えなかった最後の一言を志保は理解したのか、やさしく笑った。そして、志保はさびしそうにつぶやいた。

「……贅沢だよね」

 

亜美は屋上にいた。煙草の煙がネオンに照らされて、紫色に映える。初夏の夜は肌に心地よい。

ここでたまきと会ったのか。あの時はこんな風になるなんて考えもしなかった。

何でたまきを助けたんだろ? いまさらながら考える。

そして、なんであの子を、志保を「城」に招き入れた?

……そりゃ、金になるからでしょ。

……本当に?

ぶっちゃけ、今まで週に二回来てたヒロキが、たまきが来て以降、週三回になったぐらいで、新規開拓なんて全くできてない。

きっと、志保が入っても、これ以上儲けは増えないだろう。

そんなの、最初からわかってた。「金儲け」なんて口実だ。

じゃあ、なんで、二人を招き入れた……。

……自分に似てるから?

……そんな馬鹿な。

右脳で出した答えを左脳で否定する。

あの二人が自分に似ているわけがない。たしかに、「家に帰りたくない」という点では似ている。それは認める。だから、たまきに親近感を覚えた。

しかし、たまきは亜美と違ってうじうじしてるし、志保は亜美と違って頭がいい。

そもそも、あの二人が言っていたことがさっぱり理解できない。たまきは明日なんていらないと言い、志保は明日が怖いと言う。

明日のことなんて考えるから、そんなこと言うのだ。明日なんて来ないかもしれない。

亜美は夜空を見上げる。もしかしたら、今日、宇宙のかなたから突然現れた恐怖の大魔王が、火の玉で地球を焦土と化し、みんな死んでしまうかもしれない。

まあ、今のはさすがに極端だが、明日が来る保証なんて、誰にもない。だったら、明日のことなんて考えたって仕方ない。明日なんてどうでもいい。今を楽しんで、明日が来ちゃったら、その時考えればいいのだ。

ふと、亜美の顔にあたるものがあった。思わず上を見ると、さらにポツッ、ポツッ、と冷たいものが当たる。

雨だ。

「マジかよっ」

亜美は屋上を後にした。

 

写真はイメージです

翌日は土砂降りだった。お昼少し前、亜美は買い物に出かけたので、「城」の中にはたまきと志保の二人がいる。

雨の日のたまきは気分が悪い。機嫌が悪いのではない、気分が悪いのだ。もっとも、はれや曇りでも気分がいいわけではなく、そんなに悪くない、というだけなのだが。

「たまきちゃん、何食べる?」

志保は厨房に立っている。髪を縛って、冷蔵庫の中を覗いている。

「お昼……いらないです……」

その時、雨音とともに、亜美が帰ってきた。

「ただいま。いいもの買ってきたぜ」

亜美は、手に持っていた、少し濡れたビニール袋の中から、何かを取り出した。

コルクでできた楕円型の薄い板。それといくつか、ひらがなの形をした造形物が、袋の中には入っていた。

「ネームプレート?」

志保が尋ねた。

「そう。せっかくだし、これに三人の名前を貼って、玄関につるそうぜ」

「……玄関につるしたら、不法占拠がばれるんじゃないですか……」

たまきの一言で亜美が一瞬止まった。

「……ドアの内側にしよう」

 

「うちはピンクね」

亜美はピンク色の造形物の裏にボンドを塗り、コルクのネームプレートの上の方に張り付けた。造形物は、ひらがなの「あ」と「み」の形をしている。

「たまきは黄色ね」

亜美は黄色い「た」「ま」「き」をたまきの手に渡した。

「……私、黄色ですか……?」

黒か紫が良かった。

「気分だけでも、明るくしなきゃダメなんだよ」

たまきは少し不満そうに、造形物を見ていたが、やがてボンドを手に取ると、ボードの下の方に張り始めた。

「たまき、そんな下でいいの?」

「たまきちゃん、真ん中にしなよ。下は新入りの私が」

「……いいです、私はここで」

そういいながら、たまきは「き」を張り付けた。

「志保は青ね」

亜美は志保に青と水色の間くらいの「し」と「ほ」を渡した。志保は笑顔で、「あみ」と「たまき」の間に張った。

亜美は、完成したネームプレートを、ドアの内側、ちょっと高いところにつるした。

「かんせ~い」

 

あみ

しほ

たまき

 

「へへっ。ちょっと、テンションあがるな」

「そうだね」

「……ちょっとだけ」

雨は激しく降り続いていた。

つづく


次回 第4話 歌声、ところにより寒気

亜美、志保、たまきの3人での生活が始まった。ミチに誘われて、彼のバンドのライブに出かけたたまき。事件はそこで起こる……。

「何のやる気もなく、ただ消化試合のように生きている。絵を描くのも、楽しいからでもなく、何かを表現したいからでもない。時間をただ押し流すためだけの作業。 」

⇒第4話 歌声、ところにより寒気


←第1話から見る

投稿者: ノック

民俗学ZINE作家。 「バズらないモノづくり」をテーマとする「ノンバズル企画」を主宰。民俗学専門ZINE「民俗学は好きですか?」を企画・執筆・製本・販売しています。「民俗学とは『生きること』を探求する学問」をテーマに、民俗学の魅力をわかりやすく、面白く、奥深く紹介していきます。