コロナの情報をあさらない

「コロナ疲れ」という言葉があるらしいけど、その実態はもしかしたら、ネット疲れ・SNS疲れの延長ではないのか。

そもそも、感染も発症もしてないウイルスに「疲れる」というのも変な話じゃないか。

みんな、実はコロナウイルスに疲れたのではない。コロナウイルスに関する「情報」と、それを調べるためのパソコン、SNS、スマートフォン、テレビのニュースに疲れているのだ。

そんなコロナ疲れしたそこのあなた、もしや丸一日、コロナに関する情報を漁ってやいませんか?

不安からいろいろ調べたくなる気持ちもわかるけど、むしろ逆効果じゃないかしら。

コロナが不安だからいろいろ調べる。でも、調べたところで不安を煽るような情報しか見つからない。結果、ただ不安が大きくなっているだけ。その不安を解消したくてまた調べる。悪循環だ。

だったらいっそ、勇気をもって情報を遮断したほうがいい。

コロナに関する情報を漁ってないと不安になるかもしれないけど、漁ったって不安が大きくなるだけだ。

そして、不安なんていくらため込んでも、なんの役にも立ちやしない。

大事なのは不安じゃない。警戒心だ。

コロナに全く不安を抱いていなくても、警戒心をMAXに働かせておけば、冷静に的確な対処ができる。

ならば、不安を煽るような情報は遮断しよう。

そして、最大の警戒心を持って、正確な情報を必要な量だけチェックする。必要以上の情報には触れない。

そうやって情報を制限することで、デマにも踊らされなくなる。

デマというのは巧妙に信じ込ませようとするから、一度出くわすと見抜くのはなかなか難しい。

でも、触れる情報の量を制限すれば、そもそもデマが回ってこない。触れる情報の絶対数が少ないのだから。

たとえば、「10の情報のうち1つがデマである」という状態と、「100の情報のうち10個がデマである」という状態を比べてみよう。

どちらも、デマが含まれている割合同じ。前者は注意すればたった1つのデマが見抜けるかもしれない。だけど、問題は後者。90の真実と10のデマを完璧に見分けることはまず無理だ。

触れる情報の量が増えれば、デマに行き当たる数も増える。デマの数が多くなれば、見抜くのは困難になる。

情報を漁る前に、まず落ち着いて考えてみよう。大量の情報を漁ったところで、自分にそれを処理する能力があるのか、と。

あなたが毎日、新聞を5紙取って読み比べてる、そんなレベルの「情報猛者」なら、大量の情報を漁っても適切に処理できるかもしれない。

でも、一般人は違う。大量の情報から真贋を見極めるスキルも、専門知識も、情報を処理して本質を見抜く眼も持っていない。

僕は、どれも持っていない。だから、自分の処理能力を超える量の情報には触れない。制限をかける。僕のように情報処理に疎い人間こそ、実は触れる情報量に制限をかけるべきである。

そうやって情報に制限をかけることで今度は、「なら、少ない情報の中で必要な情報を補うには、どこを見ればいいか。何をチェックすればいいか」という方向に頭が働く。

では、少ない情報でも必要量を的確に補うには、どんなメディアが良いのか。

ネットはダメだ。ネットにはチェック機能がない。大半のデマはネットで出回る。

信頼置けるニュースサイトもあるが、今度は記事の後ろに「あわせて読みたいニュース」なんて余計なものが出てくる。こんなのいちいち目を通していたら、不安が増すだけだ。

テレビはネットと違って正確なな情報を提供してくれる。

だけどテレビは、話が長い。

「本日の感染者は何人です」とだけ言ってくれればいいのに、町の様子とか、海外の様子とか、深刻そうな出演者の顔とか、不安を煽るような追加情報を延々と流している。テレビを見るなとは言わないけど、見る時間はある程度制限しないと、不安が増すだけだ。

そしてラジオ。ラジオも公共放送であるため、信頼できる情報を教えてくれる。

そして、ラジオのニュースは時間が短い。

局によって違いはあるけど、基本は1時間ごとに2~3分だけ。その中で4,5個のニュースが伝えられるわけだから、1つのニュースは1分以下。正確な情報が簡潔にまとめられている。

しかも、テレビのニュースと違い、同じニュースを繰り返したりしない。2時のニュースでいった内容は、3時のニュースでは言わない。常に最新情報しか流さないのだ。

ネット、ラジオ、テレビ、便利なメディアは数々あれど……「正確」「簡潔」「最新」の条件を満たすのはラジオの特性…。

おまけに天気予報と交通情報までついてくる。

災害においてラジオこそが最強のメディアだ!

投稿者: ノック

民俗学ZINE作家。 「バズらないモノづくり」をテーマとする「ノンバズル企画」を主宰。民俗学専門ZINE「民俗学は好きですか?」を企画・執筆・製本・販売しています。「民俗学とは『生きること』を探求する学問」をテーマに、民俗学の魅力をわかりやすく、面白く、奥深く紹介していきます。