FOMOの意味を考えてみる

ついこの前、FOMOという言葉を知った。

ガソリンスタンドの名前ではない。「FOMO」とは「Fear Of Missing Out」の略で、「自分だけ見逃してしまう事への恐怖」という意味だ。

要は、流行や話題に自分だけ乗り遅れてしまう事への恐怖、というわけだ。

2004年ごろに生まれた言葉らしいが、僕がこの言葉を知ったのは2020年の暮れである。だいぶ乗り遅れてしまった。

いや、そもそも、ネットで調べてみても「FOMO」という言葉を解説している記事はあまり多くない。どうやら、「FOMO」というワードそのものが世の中から見逃されているらしい。

一方で、研究者にとっては大きく関心のある現象らしく、ウィキペディアを見ただけでも、いろいろな研究成果が見つかる。

それによると、FOMOというのは要するに「仲間外れは嫌だ」という感情らしい。常に人とのつながりを欲し、仲間外れを恐れるゆえに、「話題の○○」「流行りの○○」というのを常にチェックしておかないと気が済まない、というのだ。

そうして、話題や流行りをチェックしておくことで、周囲と話を合わせることができ、結果、自分が周りに承認される、という事らしい。

特に、人とのつながりに満足できないとき、人はこのFOMOに陥りやすいという。

何のことはない。FOMOとは、話題のスイーツが好きな人でもない。流行のアイドルが好きな人でもない。

結局は自分が好きな人に過ぎないのだ。自分が好きだけど、その自分が仲間外れにされるのが嫌だから、流行を追っかけて話題を合わせる。

スマートフォンで常にトレンドに目を光らせているけど、you tubeを見ていても、tik tokを見ていても、ドラマを見ていてもアニメを見ていても映画を見ていても、実はずっと自分のことしか見ていないのである。なかなかの皮肉だ。

そう考えると、流行というのもなんだか考え物だ。音楽にしろ、映画にしろ、食べ物にしろ、そのもの自体を楽しんでいるというよりも、話題を楽しんでいるようにも見えるし、作り手側も、作品を作っているというよりは、話題を作っているんじゃないかとも思えてくる。

雑誌が売れなくなり、SNS社会となり、テレビが見られなくなって、you tubeが見られる。結局は、話題の振りまき役が変わっただけなのかもしれない。

受け手は話題に取り残されたくないと恐れ、作り手は話題を必死に作る。最終的にはきっと、自分が「話題」になりたいのかもしれない。自分が「話題」になってしまえば、もう取り残されることもない。

なんだか、「話題」に振り回されているような気もするが、「話題」とは一体何だろう?

投稿者: ノック

民俗学ZINE作家。 「バズらないモノづくり」をテーマとする「ノンバズル企画」を主宰。民俗学専門ZINE「民俗学は好きですか?」を企画・執筆・製本・販売しています。「民俗学とは『生きること』を探求する学問」をテーマに、民俗学の魅力をわかりやすく、面白く、奥深く紹介していきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です