今月末には「文学フリマ東京」があります。3回目の参加ですね。
文学フリマが近づくと、毎回毎回「販売ブース、どうしようかなー」ということを考えてます。
どこのブースも、その世界観にあったブースを設営していて、やっぱりそういうところで負けちゃだめなんです。「こだわったブース」と「手を抜いたブース」だと、やっぱり「こだわったブース」の方が目に留まりやすいんですね。
というわけで、凝りに凝ったブースってやつを考えてみるわけなんですが、ここで一つ問題が。
どんなに凝りに凝った、おしゃれなブースを設計したところで、持ち運ぶことができなかったら意味ないんですよ。
すぐに設営できて、すぐにバラすことができないといけない。僕の場合は電車で移動するので、カバンひとつで持ち運びできないといけない。
となると、素材も、仕組みも、「トランクひとつだけで飛び回る」ということが大前提になるんです。
重い素材、軽くてもかさばる素材は、持ち運びに不便なのでNG。
それでいて、棚とかを作るときは、それなりの強度がないとだめ。おまけに、持ち運びするためにはバラバラにしないといけない。つまり、ばらせる構造じゃないとだめ。
そんな都合のいい素材はないかと、ある時はホームセンターをうろうろ。またある時は合羽橋をうろうろ。さらにある時はカッパのコスプレで街をうろうろ。いや、カッパのコスプレはしてないな。
せっせとZINEだけ作っていればいい、というわけじゃないのです。
いや、せっせとZINEを作っているからこそ、それを売る場所にも手を抜きたくはない。
たとえば、ステージに立って歌う、となると、「衣装はどーでもいい」とはならないでしょう。「演出もセットも、なんでもいい」というわけにはいかないでしょう。「歌さえ上手けりゃ、あとはなんでもいいんだ」とはいかないのです。
たとえば、飲食店をやる、となると、「内装はこだわらなくていい」とはならないでしょう。洋食屋ならヨーロッパっぽく、お寿司屋だったら純和風に、ハンバーガー屋はアメリカンに、喫茶店はアンティークに、内装や雑貨や音楽で世界観を表現する。これ、どこもやっていること。「メシさえ旨けりゃ、あとはなんでもいいんだ」とはやっぱりいかんのです。
それと全く同じです。
せっせとZINEを作っているからこそ、それを売る場所にもこだわりたい。いや、販売ブースまでを含めて、僕の一つの作品なんです。
むしろ、世のライターだ作家だと言われる人たちが、原稿だけ書いて、その販売は完全に本屋まかせ、ということの方が、僕には不可解です。
さらに言えば、出版社ですら販売は書店まかせ、というのが僕には不可解なのです。
製作から販売まで全部やる。大変だけど、正直めんどくさいけど、楽しいです。