「平気で他人を傷つける人」について、僕の中で一つの傾向を見出していまして、それが「自分はいつだって被害者だと思ってる人」なんですよ。
自分はいつだって被害者。自分はいつだって正しい。自分はいつだって善人。
そう思ってるヤツが、実は平気で他人を傷つける人だ、そんな風に考えています。
平気で他人を傷つけるくせに、頭の中では「自分はいつだって被害者。自分はいつでも善人」だと思っているから、よもや自分が他人を傷つけてるなんて思ってない。
それどころか、「自分はいつだって被害者」だから、周りの人間はバカばっかり、周りが全部悪い、私はいつだって被害者でかわいそう、って思っているわけです。まさか自分が加害者になるなんて、これっぽっちも考えてない。
最近、煽り運転で死亡事故を起こした犯人が、自分の車のドライブレコーダーのデータを捨てて証拠隠滅を図った、という事件がありました。
ん? んんん?
ドライブレコーダーっていうのは、自分が煽られた時のためにのっけてるものであって、煽る方が自分の車に搭載しててどうする。案の定、犯行の瞬間が映ってるものだから、証拠隠滅(すぐばれたけど)する羽目になる。
つまり、コイツは煽り運転をしておきながら、「自分が煽り運転の被害者になるんじゃないか」なんてたわけたことを考えて、ドライブレコーダーをのっけてた、ってことなんですよ。
こういうの。こういうやつのこと、僕さっきからずっと書いてんの。
で、こういうやつに言わせると、「私の周りはバカばっかり」「世の中クズばっかり」となるんですけど、
……いや、おめーがおかしいんだよ。
だってさ「自分の周りになぜかバカばかり集まる」「自分の周りになぜかろくでなしばかり集まる」って、不自然じゃん。「自分は善人で正しいのに、周りにはバカばっかり集まる」って、それ、不自然じゃん。
実は自分がいちばんろくでなしで、わがままで、イヤなやつなんだけど、自分ではそれを全く自覚していなくて、自分は善人なんだと思いこんでいれば、そりゃ認識がゆがんで相対的に「周りがバカばっかり」に見えます。むしろ、そう思いこまないと、その人の中でつじつまが合わなくなる。
で、そういう人に「いや、おまえが間違ってるんだよ」と指摘すると、たいていはふてくされます。
SNSとかで事件のニュースをリツイートして高説ぶってるやつは、だいたいそのタイプだろう、と思っています。「自分は善人である」と思いこんでないと、ニュースの批評なんてできないもの。
さて、ここ数か月の世界情勢で、日本でも軍備拡張とか核武装とかの議論が上がってますけど、
「日本が攻められたらどーする!」だけじゃなくて、「逆に日本が侵略者になる可能性はないのか?」って話をしない人の意見は、信用しないことにしてます。
まあ、現行の憲法がある以上、日本が侵略者になるなんてありえない。寝言は寝て言え、ってレベルでありえない。
ありえないんだけど、政治の思想とか知識とか関係なしに「自分が加害者になるかもしれない」と考えないヤツは、やっぱり政治とか以前に、人間としてのねじがどこか緩んでて「この人、ヤバい人だ」って思うのです。