モノを売るって難しい

「真夏のノックフェス」と勝手に銘打ったイベント2日間が終わりました。もちろん、そういうイベントを主催したわけではなくて、たまたま出店予定の二つのイベントの日にちが並んでいたので、勝手に一人で盛り上がっていただけです。

イヤぁ、モノを売るって難しいですね。

用意した部数の70%以上が売れて、売り上げとしては1万5千円以上なのでまずまずの結果なんですけど、1日目のイベントは売れ残ってしまったり、2日目も最初は全然売れなかったりで、改めて「モノを売る」ということの難しさを痛感しました。

作品を買ってもらうには、手に取ってもらわないといけない。

手に取ってもらうには、ブースの前で足を止めてもらわないといけない。

足を止めてもらうには、ブースの前を通ってもらわないといけない。

ブースの前を通るには、そもそもイベントに来てもらわなくてはいけない。

これらの壁を突破して、初めて作品は評価されるのです。この幾重もの壁を突破して、「クリエイター」と呼ばれる人たちは初めて「作品を評価される」というスタートラインに立てるのです。

1つ作品を買ってもらうには、その何倍の数もの立ち読みが必要なんですね。

何人もの人に立ち読みしてもらうには、その何倍もの数の人に足を止めてもらわなきゃいけません。

より多くの人に足を止めてもらうには、その何倍もの人に前を通ってもらわなきゃいけません。

逆に言うと、人通りが少ないと、足を止める人の数も少なくなります。

足を止める人の数が少ないと、立ち読みが少なくなります。

立ち読みが少ないと購入につながらない、という理屈なんです。

購入に至るまでの段階の、どこかの数が少なくなれば、購入される数も少なくなるんです。

さて、イベントの集客力とブースの前の人通りはもうこちらではどうしようもないので、出店者ができる努力と言えば、いかに自分のブースの前で足を止めてもらうか、いかに手に取ってもらうか、です。

イベントの最中、全然足を止めてもらえない時間がありまして。通る人がみんなスルーしていく。目線が引っかかりもしない。だから、ちっとも売れない。

このままではまずい、と商品の見せ方を変えた瞬間、とぶように売れていきました。

商品自体はみじんも変わっていないのに、見せ方を変えただけで売り上げが10倍違うんです。

足を止める数、立ち読みの数からして、がらりと変わりました。

どんなにいい作品を作っても、売り方を間違えれば、さっぱり売れないんです。

そして、どんなにいい作品を作っても、売れなかったら評価の対象にすらならない。

売上以上に、販売に関して色んな事を気づき、学んだ二日間なのでした。

投稿者: ノック

民俗学ZINE作家。 「バズらないモノづくり」をテーマとする「ノンバズル企画」を主宰。民俗学専門ZINE「民俗学は好きですか?」を企画・執筆・製本・販売しています。「民俗学とは『生きること』を探求する学問」をテーマに、民俗学の魅力をわかりやすく、面白く、奥深く紹介していきます。