6年目突入!

僕の立ち上げたZINEレーベル「ノンバズル企画」も、今月で活動5周年になりました。

5年間、長いような、短いような、体感にして5年くらいというか。

まさか5年後も活動を続けてられるとは、30%くらいしか思ってなかったですよ。いや、やり続けるつもりではいたけど、どうせ誰にも見向きされないんだろうと思ってましたから。その覚悟で始めたことですから。

というわけで、今月から6年生です。

5年目は「予算管理」を意識し始めた年でした。どんぶり勘定はやめて、「前回までの売り上げがこれくらいだから、今回の予算はこれだけ!」を徹底してやるようになりました。

参加したいイベントがあってもむやみに応募するんじゃなくて、まずは予算とにらめっこ。参加するだけの予算がなかったら、もちろん参加は見送ります。

でも、ちゃんと予算を管理するようになったことで、「予算があまって余裕があるから、台車が買える! 椅子も買おう!」と、今までケチって渋っていた備品が買えるようになりました。

お金を使わないための予算管理であると同時に、お金を使うための予算管理なのです。

あと、最近は予算の中で「広告費」という名目を用意するようになりました。

このイベントに参加しても採算は取れないだろうけど、宣伝にはなるぞ、みたいなときに使うお金。これまた、「予算のうちのこの部分は広告費! 採算は取れなくていい!」と腹をくくったからこそできること。

予算管理って大事なんです。

それに加えて、6年目は「スケジュール管理」も今まで以上に徹底していこうと思ってます。

なんのスケジュールかというと、製作スケジュールですね。

何月はこれをやって、何月までにこれをやって、今週はあれをやって、来週はこれをやって……。

どうしてスケジュール管理にこだわるのかというと、今年から同時に二冊のZINEを作るからです。

これまで作ってきた「民俗学は好きですか?」シリーズに加えて、いま、小説「くらやみ坂のナツミ」を執筆しています。年末の文学フリマ東京に向けて製作中です。

二冊同時に作っているからこそ、スケジュール管理が重要。どっちがどこまで進んでいるのか。どっちの製作が遅れているのか。どっちの製作を優先し、どっちにより時間を割かなければいけないのか。

スケジュール管理を模索しながら、探り探りでやっています。

今のところ、「民俗学は好きですか?」の制作に支障はないし、「くらやみ坂のナツミ」も予定通りに書き進んでいます。

予算管理も、スケジュール管理も、二冊同時製作も、全てが挑戦です。いや、モノづくりと販売はいつだって挑戦です。

結果の出る出ないは別として、挑戦し続けることこそが一番大事だと思うのです。すべての挑戦者に幸あれ。

7回目の文学フリマを終えて

先日の「文学フリマ東京37」では、今までとは少し違ったことがありました。

いつの間にか、知り合いが増えてるんですよ。

「前に鎌倉のイベントでお会いした○○です」

「ツイッターをフォローさせてもらってる××です」

「まえに湯島のイベントに出店してた時に買いました」

「あの時助けていただいた鶴です」

「あの時助けていただいた亀です」

「あの時笠をかぶせてもらった地蔵です」

そんな人たちがブースにZINEを買いに来てくれたんです。これまではあまりそういうことはなかったけど、今回は「前に買いました」って人が増えた気がします。少しずつ、見える景色が変わってきているのかもしれません。

そういうことがあると、時間とお金をかけて鎌倉までイベントに参加しに行ったり、大した売り上げにもならないのに湯島のイベントに参加したり、そういうのは無駄じゃなかったんだなぁ。

イベントとか委託販売とかの中には、どう考えても赤字になるようなものもあるわけですよ。去年は高崎の本屋さんのイベントに参加したりして。浦和から高崎までの交通費を考えると、絶対黒字にはならない。

だから、そういう時には「広告を配りに行くんだ」と割り切ってやってます。広告なんだから、お金を回収できなくて当たり前!と。

そういう意味では、売り上げ的には黒字にならなかったイベントで出会った人が、ZINEを買いに来てくれるというのは、広告としては大成功です。

かといって、広告にばかりお金を使うわけにもいかない。

これからはもっと予算の使い方というものをしっかり考えていかないとなぁ、と思う今日この頃なのです。

まあ、別にこれまでもどんぶり勘定をしてたわけじゃないんですけど、でも、予算のうちのいくらを何に使うか、なんて細かいことは考えずにやってたわけで。

紙や印刷に使うお金、イベント出店に使うお金やそのための交通費、広告費、取材費、新作のために初めて予算の内訳をしっかり書き出してみたら、結構予算ギリギリでした。

おまけに、「民俗学は好きですかとは別に、1年かけて新しいZINEを作ろうと企画しているのだから、予算が削れる削れる。

それでも、その予算がどこから出てるかと言うと、6月からの半年分のZINEの売り上げでして、さらに「売り上げの2割ぐらいは手元に残るように」と予算配分したら、結構ギリギリになってしまった、というお話。

生活費とかに一切手を付けることなくZINEを作れてるのはありがたいことです。

4年目と10冊目

民俗学エンタメZINE「民俗学は好きですか?」、いよいよ10冊目が完成しました。

1冊目の完成から、ちょうど4年が経ちました。

4年と言うと、大学生だったら卒論書いて卒業してなければいけない時間です。

アスリートだったら、オリンピックやらワールドカップやらの大きな大会が4年周期でやってくるので、4年でひとくくりって考えの人が多いみたいです。

そして、僕は4年でちょうど10冊という区切りを迎えたわけです。よくもまぁ、飽きずに続いたなぁ。

こうやって10冊を並べてみると、我ながら圧巻ですねぇ。

……青、紫、黒、寒色多いな。

10冊目が出せるということを4年前に考えていたか、と考えると、微妙なところですね。10冊目まで出したい、と思っていたと思うけど、別に何の確証も保証もなかったわけで。

で、いま、次の10冊、次の4年をどうするかって考えてます。次の4年。おお、アスリートみたいだ。

これからのZINE作り、これからの販売方法、これからの宣伝の仕方、これからの活動、次の4年をどうするか、プロデューサー目線でいろいろと考えてる最中です。

4年やって気づいたのが、クリエイターとしてモノづくりをするときと、プロデューサーとして販売や宣伝について考えている時では、使う脳みそが違う、思考回路が違う、考え方が違うということ。

モノを作るというのは、数字では評価できないもの。

モノを売るというのは、数字でしか評価できないもの。

この二つは、根本から違うんです。

WEBライターやってた頃は、「こういう文章が読まれますよ」みたいなマニュアルがよくありました。「読まれる要素」みたいなのを次々とぶっこんでいくわけです。

今はもう、そういうことはほぼやめました。

モノづくりをしているときは、「どう言う文章が読まれる?」とか「どういうZINEが売れる?」みたいなことは一切考えない。自分が作りたいように作る!

作ってから、頭を切り替えて、売ることを考える。「作る」と「売る」で完全に思考を切り替えるのです。

切り替えた後で、「これ、おもしろいのかな?」「これ、どうやって売ればいいんだろう?」と頭を抱えるのです。

……だから今、頭を抱えてるんですよ。

最新号の特集のテーマはずばり「匣」、すなわち「箱」。

これを一体どうやって売っていけばいいのか……。「匣のプロモーション」なんて何をやっていいやら見当がつきません。

……いやいや、その前に。

「特集 匣」って何だよ!

こんなミステリアスなZINEでも、この前のイベントではちゃんと売れていました。世の中って不思議ですね。

ZINEフェス埼玉出店記

先日、浦和パルコで行われたZINEの販売イベント「ZINEフェス埼玉」に出店してきました。

「ZINEフェス」は普段は吉祥寺パルコで行われているのですが、今回は初めての浦和開催。今まで、イベントに出店するためにあちこちに行き、6月には往復3000円をかけて高崎まで行っていたのに、今回、なんと交通費が0です。会場まで歩いて行きました。

地元、ということでわかるのですが、浦和パルコのお客さんは吉祥寺パルコのお客さんとは、どうも客層が違う。

吉祥寺という街は、商店街におしゃれな雑貨屋がずらりと並ぶ街です。吉祥寺パルコの中にもやはりおしゃれなお店がいっぱい。実際、イラストや写真などのアート系のZINEがよく売れます。アート系ではなく読みもの系のZINEを作る僕にとってはアウェーです。

一方の浦和はと言うと、

浦和におしゃれな雑貨屋さんがずらりと並ぶ場所なんてあるわけないじゃないですか。はっはっは。浦和の商店街に何があるかって? 日高屋だよ。浦和パルコにどんなお店があるかって? ノジマ電器だよ。

じゃあ、浦和パルコによくくるお客さんとはどういう人なんだろうか。どんな人をターゲットにして売ればいいんだろうか。

よく浦和パルコをうろついてて、

本屋さんとか好きで、

「民俗学」ってワードに反応しちゃう人っていうと……、

ワシのことやないかい!

そうか。ワシみたいな人を相手に売ればいいんだな。

そして実際にイベントが始まってみるとあらびっくり。

吉祥寺の時の倍ぐらいのスピードで瞬く間に完売してしまったのです。吉祥寺では一度も完売したことないのに……。

やはり、同じパルコでも吉祥寺と浦和では客層が違っていた! そして、浦和の方が完全にホームだった!

ZINEを作り始めて5年目、「どこかに僕のZINEがよく売れる町はないかね」といろんな場所のイベントに参加してきたけど、まさかの地元がよく売れるとはなんという青い鳥。

そういや、好きなアニソンの歌詞にあったなぁ。「探してたものは実は近くにあって、信じられないほど遠回りして見つけ出すんだ♪」

それにしても、どうして浦和の方がこんなに売れ行きがいいのだろうか。

実はちょっと思い当たる節があって。

吉祥寺になくて浦和にあるもの。それはプロサッカーチームとあともう一つ、古本市。

浦和は毎月古本市が開かれていて、もう40年以上続いてるんです。僕も毎月楽しみにしています。

40年のあいだ毎月古本市が開かれるって、これは全国でも相当珍しいのではないでしょうか。

おしゃれな雑貨屋が集まる吉祥寺にアート系ZINEを楽しむ人が集まるように、40年古本市がつづく浦和には読み物系のZINEを楽しむ人が集まるのではないか。

じゃあ、アートと読み物の違いって何だ? ただの絵・写真と文章の違いなのか?

考え出すときりがないのだけど、ZINEを作り始めて5年目にして地元が初めて教えてくれることがある。やっぱり青い鳥です。

やめる理由が見つからない

ZINE作りを始めて、今月で5年目に入りました。

でも、文学フリマに初めて出店したのは2020年の11月(コロナ禍まっただ中!)だったので、実感としては「デビューしてまだ3年たってない」って感じです。

この一年で、僕のことを知ってくれる人も少し増えたように思います。「縁ができたな!」というやつですね。

ちなみに、去年一番驚いたのは、文学フリマで、ファンだという女性から差し入れでカールをもらったことです。カールはもう、関東では手に入りづらいのよ……。

なんだかんだで4年間、飽きもせずやって来たことで、見えてる景色が少しずつ変わってきてるのかな、とちょっと実感しかけているいるところです。

ホントにちょっとずつですけど。

そしたらこの前、学生時代の友人が僕のことを「続けてることがスゴイ」と言ってくれたんですよ。

なるほど。確かにそうかもしれない。

続けている、続けられる状況にあるっていうのは、確かにそれだけですごいことなのかもしれない。

僕の実感としては「やめる理由がなかった」と言うのが正直なところ。1冊作るたびに「次も作ろう」と思えるし、文学フリマなどのイベントに出ればちゃんと反響がある。売上も、実力と工夫次第でまだまだ伸びていくという実感がある。

なにより、ZINEを置いてるお店や、ZINEを売るイベントをいくつかまわっていくうちに、それまで行かなかった町、知らなかったお店、出会わなかった人に会うようになる。

「ネタ切れ」とか、「反響がない」「全然売れない」「ここが限界だろう」、みたいなやめる理由がいまのところ見つかってないから続いている、って感じです。

すくなくとも、カネになるならないはあまり関係ないですね。儲かったってやめる人はやめるだろうし。もうやめたいんだけどカネになるから続ける、っていうのもなんだかなぁ。

ZINEにかぎらず、僕の場合なんだってやめる理由が見つからないうちはずっと続ける性格なのですが、その性格が「続ける才能」ってヤツなら、案外そうなのかもしれません。

続けることもまた一つの才能。そういえば、地球一周に向けてポスター貼りをしていた時も、そんなことを言われました。一度は地球一周を志しても、船に乗るまで半年ぐらいある中で、その意思を継続できる人って意外と少ないんだ、と。確かに僕は一度も「やっぱり地球一周はやめよう」と思ったことはなかった。「ポスター貼りもうヤダ!」は何回かあった気がするけど(笑)。

さて、その友人が、この春から海外に出向することになったんです。それも、数年間。

その話を聞いて、思ったのです。

「私も、まだまだ暴れ足りない」と。

もっともっとワクワクすることをしたい。

友人は海外に行く。僕も負けてられない。ワクワクに関しては負けたくない。謎の意地の張り合いです。

きっと僕は、どんな人生を歩んでいたとしても、必ずこう思うのでしょうね。「もっとワクワクすることをしたい」と。

だから、まだまだまだまだ止まんないよ。

奇跡の連続

ほんとは文学フリマで100冊完売を達成して、高らかに言いたかったんですよ。「ZINE作家ノックのシーズン2がここから始まります! おたのしみに!」と。

それを言うには、やっぱり「100冊」って数字がないと説得力がないじゃないですか。

ところが、現実の売り上げは86冊だったんですよ。これが「86冊も」なのか、「86冊しか」なのか、まだわかんないんですけど、いずれにしても、シーズン2の幕開けを高らかに宣言するには、ちょっと弱い。

文学フリマが終わって二三日は、実は「100冊に届かなかった……」という残念な気持ちの方が強かったのも事実です。

なにせ、半年間この「100冊」という壁を目標に、いろいろと準備してきたわけですから。半年もかけていろいろやったけど届かなかった、となると自分の力不足を感じざるを得ないわけで。

ところが、これが一週間たつとまた気持ちが少し変わってきていて。

売り上げの数字とはまた別の「反響」ってやつを、少しずつ感じているんですよ。

それはSNSだったり、生の声だったり。文学フリマとはまた別の場所でZINEが売れてたり。

ZINEを取り巻く環境も少しずつ、面白い方向に変わっていってる気がしますし。

文学フリマの次の週末は、紙を買いに行ったり、納品に行ったり、印刷したり、新作を作り始めたりと、かなりの時間をZINEにまつわることに当ててました。

それも、「また来月のイベントが迫ってるから」という、やらなきゃいけない理由がちゃんとあって、そこで収益を出せるだけの実績もある。

「前にもこのイベントに出て、これだけ売れてるから、このくらいの収益にはなるだろう。そのためには、これだけの部数を用意しないといけない」と、ある程度ソロバンもはじけるようになってきました。

材料の紙を買いに行くのも、表紙を印刷しに行くのも、電車に乗って納品しに行くのも、「この出費は後で利益として取り返せる」という自信があるから。

ZINE作りを始めた3年前には考えられなかったことです。あの頃は、自分の作品が売れる姿なんて想像できなかった。そんなことは奇跡だと思ってた。

いや、今でも奇跡なんですよ。自分の作ったZINEが1冊でも売れる、自分の作ったものに誰かが価値を見出して、お金を払ってでも買ってくれる、そのことは奇跡でしかないんですよ。奇跡の連続なんですよ。売れて当たり前、なんてことはないんです。

あのゴッホだって、生前は絵がたった1枚しか売れなかった。ゴッホのとってその絵は「奇跡の1枚」だったはず。

そう考えると、そもそも、3年以上もZINE作りを続けていること自体が奇跡なのかもしれません。

この前、友人と話していたら「続けていることがスゴイ」と言われまして。

たしかに、少なくとも「こんなこと、もうやめよう」って状況ではないことは確か。

自分が起こしたアクションに対して、それに見合う程度の結果は出ていて、それなりに反響もあって、応援してくれる人もちらほらいる。すくなくとも、「誰にも相手にされていないんだから、もうおやめなさい」という段階ではもう、ない。

まだ続けたいと思うし、まだ続けていいとも思う。もちろん、ものすごい追い風が吹いているわけじゃないんだけど、風が全然吹いていないわけでも、ましてや向かい風なわけでもない。

「まだ続けられる」っていうのは、それだけで大したものだし、それだけで奇跡なのかもしれません。

まだまだまだまだ止まんないよ

モノを売るって難しい

「真夏のノックフェス」と勝手に銘打ったイベント2日間が終わりました。もちろん、そういうイベントを主催したわけではなくて、たまたま出店予定の二つのイベントの日にちが並んでいたので、勝手に一人で盛り上がっていただけです。

イヤぁ、モノを売るって難しいですね。

用意した部数の70%以上が売れて、売り上げとしては1万5千円以上なのでまずまずの結果なんですけど、1日目のイベントは売れ残ってしまったり、2日目も最初は全然売れなかったりで、改めて「モノを売る」ということの難しさを痛感しました。

作品を買ってもらうには、手に取ってもらわないといけない。

手に取ってもらうには、ブースの前で足を止めてもらわないといけない。

足を止めてもらうには、ブースの前を通ってもらわないといけない。

ブースの前を通るには、そもそもイベントに来てもらわなくてはいけない。

これらの壁を突破して、初めて作品は評価されるのです。この幾重もの壁を突破して、「クリエイター」と呼ばれる人たちは初めて「作品を評価される」というスタートラインに立てるのです。

1つ作品を買ってもらうには、その何倍の数もの立ち読みが必要なんですね。

何人もの人に立ち読みしてもらうには、その何倍もの数の人に足を止めてもらわなきゃいけません。

より多くの人に足を止めてもらうには、その何倍もの人に前を通ってもらわなきゃいけません。

逆に言うと、人通りが少ないと、足を止める人の数も少なくなります。

足を止める人の数が少ないと、立ち読みが少なくなります。

立ち読みが少ないと購入につながらない、という理屈なんです。

購入に至るまでの段階の、どこかの数が少なくなれば、購入される数も少なくなるんです。

さて、イベントの集客力とブースの前の人通りはもうこちらではどうしようもないので、出店者ができる努力と言えば、いかに自分のブースの前で足を止めてもらうか、いかに手に取ってもらうか、です。

イベントの最中、全然足を止めてもらえない時間がありまして。通る人がみんなスルーしていく。目線が引っかかりもしない。だから、ちっとも売れない。

このままではまずい、と商品の見せ方を変えた瞬間、とぶように売れていきました。

商品自体はみじんも変わっていないのに、見せ方を変えただけで売り上げが10倍違うんです。

足を止める数、立ち読みの数からして、がらりと変わりました。

どんなにいい作品を作っても、売り方を間違えれば、さっぱり売れないんです。

そして、どんなにいい作品を作っても、売れなかったら評価の対象にすらならない。

売上以上に、販売に関して色んな事を気づき、学んだ二日間なのでした。

真夏のノックフェス2DAYS!!

夏フェスやります! 真夏のノックフェス、2DAYSです!

8月に、2日続けて、それぞれちがうイベントに出店します。

まずは8月13日(土)、中野サンプラザの「未知しるべ」に出店!

続いて、8月14日(日)、大崎駅前の「おもしろ同人バザール」に出店!

あちらのイベントからこちらのイベントへ、こういうことをやりたかったんですよ。

もっとも、そのための準備が大変なんですけど。それなりの部数を用意しなければならないので。

まあ、イベント設営に使う道具は、前回の文学フリマでだいぶそろったから、今回はそこまで気は使ってないんですけどね。

8月13日の「未知しるべ」の方は、オカルトとかスピリチュアルとかのグッズ販売のイベントだそうです。まんだらけさんが主宰していて、今回が初めてなのでふたを開けてみるまでどんなイベントなのかわからない。

だけど、オカルト好きと民俗学は相性がいいんです。

何を隠そう、私も大のオカルトマニア。

小学生の頃に妖怪の魅力に取りつかれ、

中学生の頃に怪談サイトを読み漁り、

中学を卒業することには、陰陽道について詳しくなり、

高校の時に高等エノク魔術の本を買うけど、あまりにも難しくて手放す。何言ってるかわからなかった。

いまも本棚には、呪術とか、錬金術とか、超能力とか、UFOとか、クトゥルフ神話の本が並んでます。生粋のオカルトマニアなのです。

オカルトが好きなやつに、悪い奴はいない!

……いや、結構いる! 残念!

場所は、来年で閉館することが決まった中野サンプラザ。ラスト1年初めて行きます。光栄です。

そして、8月14日の「おもしろ同人バザール」!

お台場でおこなわれるコミケの休憩場所、を勝手に名乗ってるイベント「大崎コミックシェルター」の一環として行われるイベントです。主催はJR大崎駅!

去年の大みそかにも僕は参加してたんですけど、

大崎駅改札前の広場で、屋外だったので、あまりの寒さに死にかけたんですよ……。

あれから8か月。

今度は暑さで死にかけそう、いや、死にそう……。

販売するZINEよりも、用意するお水とか暑さ対策グッズの方が多いかもしれません……。

日傘、いや、パラソルを用意した方がいいかもしれない。

こちらは、去年よりも出店者が多くて、かなり大掛かりなイベントになりそうな予感がします。

まあいずれにしても、文学フリマは5月と11月なので、ちょうどその間で、東京で、二日間も、客層の異なるイベントに出れるっていうのは、ほんとにありがたいことです。

そのうち、東京から離れたところを旅しながらイベントを巡る、みたいなこともやりたいなぁ。

これを読んだ人はこれでもう縁ができた! みんな、この夏は中野サンプラザと大崎駅で、僕と握手!

ZINEの表紙の色が決まらない

ZINEの表紙の色が決まりません。

「民俗学は好きですか?」のvol.8の執筆作業もそろそろ終わりを迎えられそうです。

今回の特集は「都市と怪談の四百年(仮)」。怪談がテーマということで、全体的にもおばけ関連の記事が多いです。

その作業も半月遅れで順調に進み(?)、そろそろ表紙について考えなければならないところ。

その表紙の色が決まらないんです。

怪談、ホラーというと、やっぱり黒っぽい表紙にするのが鉄板です。

……黒はvol.3とvol.4で使ってるんですよねー。

シリーズ8冊中、3冊が黒って、どうよ。

ちなみに、かのワンピースの場合、表紙に黒を使っているのは、5回です。102冊中、5回です。5%です。

こちとら、8冊中3回、40%黒ってどうよ。

どうして僕がここまで色かぶりを気にしてるかというと、いざ売ろうって時に、自分のブースに並べることを考えると、「同じ色ばっかり」になることを避けたいからなんですよ。「最新刊です!」つっても、同じ色のZINEがほかにもあったら、気づいてもらえないかもしれない。

何より、僕が整理するときに、同じ色が並んでたらややこしい!

ということで、今回は黒はナシで行きたいんです。

ちなみに、第二候補はミステリアスな紫だったのですが、

……vol.6で使ってるんですよねー。

8冊中2冊、25%紫ってどうよ。

ちなみに、ワンピースだと紫は7回、7%紫です。

で、いま、僕の頭の中にあるのが、グレーを表紙で使う、っていう案。

ただ、これはこれで問題が。

グレーが表紙の本って、売れるのかな。

GLAYが表紙なら売れるけど、グレーが表紙だと売れないんじゃないか。

なぜ、ここまで表紙の色で頭を悩ませているのかというと、色でそのZINEのイメージが決まるし、そうなると手に取る人の数も変わるし、買ってくれる人の数も変わる。

内容は面白いのに、表紙で損をしてる、ってことも当然あるわけです。

なので、どんな本がどんな表紙を使っているか、常にチェックしているんですけど、グレーが表紙の本や雑誌をあんまり見たことないんです。

ちなみに、ワンピースだとグレーはなんと第13巻のたったの1回! 22年前に一度使ったきり!

なんでこんなにワンピの表紙に詳しいかって? ウチに全巻あるからです。

ちなみに、平成ライダーの場合は主人公ではグレーは一人もいません。赤が八人、黒が一人、紫とピンク(マゼンダ)が二人ずつ。

昭和ライダーだとスーパー1がグレー、いや、あれはシルバーか。

とりあえず、やっぱりグレーは人気がないみたいです。GLAYは人気あるのに。

とりあえず、作ってみるしかないかー。

「旅は移動しないといけない」って、誰が決めつけた?

ZINE作りをしていると、自分が旅をしているような感覚に陥ることがあります。

まったく何もないところから、計画を立て、準備を進め、「感性」という目的地にたどり着くように、一歩一歩製作を進める。なんだか旅に似ているような気がしますね。

計画通りに行かないこともしょっちゅう。計画変更もあります。その辺も旅に似てる。

一冊作るのにかかる日数は約100日。ちょうど、船で地球を一周するくらいの時間で、ZINEが一冊出来上がるんですね。

出来上がったZINEを見て、ノートにつらつらと構想を書いただけの状態から、よくぞ形になったと感慨にふける様は、まさに旅路を振り返る感動そのもの。

ZINE作りは、いや、モノ作りは、旅に似ているんです。

何より、旅もZINE作りも楽しいしね。

コロナ禍でさっぱり旅行に行ってないので、「旅行に行きたいよー」という欲はあるんだけど、ここしばらく、「どこかにあてのない旅に行きたいよー」という欲はさっぱりありません。それはきっと、モノ作りが旅と同じような刺激と興奮、そして感動を与えてくれてるからでしょう。

むしろ、「移動しなければ、旅とは呼べない」だなんて、誰が決めつけた?

物理的な移動を伴っていなくても、見ている景色が変わり続けるのなら、もうそれは「旅」と呼んでいいんじゃないか?

旅好きの人の多くは、「旅に出ると、価値観が変わるよ」なんて言います。確かに、僕は地球一周の船旅二日目ぐらいで、それまでの狭い価値観がぶっ壊れました。

旅が価値観が変えるというなら、「旅とは、物理的な移動を伴わなければいけない」という、凝り固まった価値観も、ぶっ壊れるべきです。

たとえ家から一歩も出なくても、目の前の景色が変わり続け、ワクワクし続けているのなら、それは「旅」と呼んでいい!

むしろ、「旅」を体験するのに、長距離移動を伴わなければならない、と考えていることの方が、非効率だろ。電車代だってバカにならないし、電車に座ってるだけでも、疲れるんだぞ。

ちなみに、僕のZINE作りという旅は、ちょっとは移動も伴うんですよ。

作ったZINEを売らなければいけないんで、ZINEを取り扱うお店やイベントは常に探してます。

また、イベントのブースを作るために、ホームセンターや文房具屋、時には都会の専門店や河童橋の道具街に足を運ぶことも。

ZINEを作ってなかったら、絶対行かなかったお店、絶対知らなかったイベント、絶対買わなかったもの、そういった未知の世界にZINE作りが結び付けてくれる。

そして、絶対出会わなかった人、絶対読まなかった本、絶対知らなかったこと、そういった結びつきもあります。

そういったものが、目の前の景色をどんどん変えてくれる。

ZINE作りは旅です。卓上でできる、極上の冒険なのです。