我ながら過激なタイトルだと思う。半分釣りであり、半分本気である。もちろん、悪評のうちのいくつか、例えばピースボートは自衛隊批判してたのに自衛隊に護衛してもらってる、とかは本当である。ただ、僕は悪評が間違ってるという話をしたいのではない。正しかろうが間違ってようが、次の二つの理由から、悪評を書くやつはバカだ、という話だ。
バカだと思う理由① 悪評が逆効果になっていることに気づいていない
数日前、僕の書いた「評判を無視してピースボートの船に乗ってみたら、こんな毎日だった」という記事の閲覧数が突如、倍近くに跳ね上がった。
急に閲覧数が上がった理由を調べてみると、次のニュースが見つかった。
ピースボートも一枚かんでいるICAN。ノーベル平和賞を受賞したことで話題になった団体だが、この団体の事務局長が安倍首相との面会を申し込んだのだところ、安倍首相は面会を断った。
ところが、ICANがこの時期に面会したいと言ってきた時期が、首相の東欧外遊とぴたりと重なっていたのだ。東欧外遊の予定はICANが面会を申し込む前に発表されていた。そのため、「ICANは安倍首相を批判するために、わざと無茶な日程で申し込んだ! 自作自演だ!」という批判が巻き起こった。
ICANが首相を批判するためにわざとやったのか、本当にうっかりしていたのかはわからない。ピースボートという団体をよく知る立場から言わせてもらえば、「あの団体だったら本当にうっかりやらかした可能性が高い」と思うのだが、これは推測の域を出ない。一方で「わざとやった」も推測の域を出ない。
どっちにも解釈できるような話は、どっちにも解釈してはいけない。
とはいえ、『わざとやった!』という解釈も決して無理がある解釈ではない、というか、普通はそう思う(笑)。
問題は、「わざとやった!」という悪評が巻き起こった時期と、僕のブログの閲覧数が跳ね上がった時期が、ぴたりと符合する、という点だ。悪評のおかげで閲覧数が上がっているのだ。
とはいえ、こういった閲覧数のバブルは長くは続かない。3日目をピークに徐々に閲覧数も下降線をたどる。
ところが、7日目にして再び閲覧数が前日の1.5倍に上がる。今度は何が起こったのかと調べてみると、産経新聞が次のような記事を乗せていた。
「【政論】ノーベル平和賞のICAN事務局長の来日、安倍政権批判目的だった?主要運営団体は『ピースボート』」
要は、産経新聞が寝た子を起こしたわけだ。おかげでこちらは閲覧数がV字回復である。
どうして、ピースボートの悪評が出ると、僕のブログの閲覧数が上がるのだろうか。
理屈としては非常に簡単。「ピースボートはとんでもない団体だ!」という悪評を書き込むと、「どれどれ、ちょっと調べてみよう」とネットで調べる人が出てくる。
この際、圧倒的に多いのが「ピースボート 怪しい」という検索である。その数、「ピースボート 評判」「ピースボート 悪評」「ピースボート 洗脳」「ピースボート 左翼団体」という検索の約4倍。
そして、「ピースボート 怪しい」で検索した場合、トップに出てくるのは私の件の記事である!(2018/1/24現在)
記事を読んでもらえばわかると思うが、基本的には「地球一周の船旅は楽しかったよ」という話や、「核武装反対派だったけど、ピースボートの企画に参加したら考えが変わった」という話を書いている。この記事を読んでピースボートに悪印象を抱くことはまずないだろう。
アンチにしても産経新聞にしても、「ピースボートやICANは自作自演をするとんでもない団体だ!」ということを主張したかったのだろう。
ところが、その悪評が僕の「地球一周楽しかったよ」という記事の閲覧数を上げている。完全なる逆効果である。
この手の輩をバカだと思う理由がこれだ。「悪評が逆効果になっていることに気づいていない」のである。
僕のブログの閲覧数が上がったということは、当然、本家本元のピースボートのホームページはもっと閲覧されていることだろう。
図らずも、悪評が宣伝になっているのである。しかも、ピースボート側としては、新聞にまで取り上げてもらっているのに、一切広告費を払わなくていい。
こういった、逆効果になっていることに気づかないバカは世の中にたくさんいる。例えば、このブログでも何度か取り上げた「選挙に行け!」と恫喝する輩だ。「選挙に行かないと大変なことになるぞ!」「日本がどうなってもいいのか!」「戦争になったらお前らのせいだ!」。この手の恫喝が全く人を動かす力がないのは、近年の投票率の低さから見ても明らかであるのに、同じ主張を繰り返す。トライ&エラーは大切だが、エラーを出し続けているにもかかわらず、何も改善せず全く同じ主張を繰り返すのはバカだとしか言いようがない。
他にも逆効果の例がある。ちょうど今日、電車を待っていると外国人のグループがペチャクチャ大声でしゃべっていた。すると、一人の老人が「うるさい!」と注意した。
そこからは大口論。注意された側は「悪いことは何もしていない!」と大声で反論。さらに「うるさい」と注意した本人がそれに対して大声で言い返すものだから、結果的にさらにうるさくなった。ただペチャクチャしゃべっていた時と比べると、不穏な空気というおまけつきである。
「選挙に行こう」も「うるさい人を注意する」も、正しい行動なのだろう。少なくとも本人はそう思っているはずだ。しかし、その行動の結果が全くの逆効果であるのならば、やり方や言い方を変えるとか、何か改善しなければならない。
悪評は言われた側からすれば投資いらずの宣伝である。キングコングの西野亮廣はこのことを熟知して、自身の悪評を宣伝に利用している。僕は彼のツイッターをフォローしているのだが、先日「キンコン西野を絵本作家だなんて認めない!」というヘイトツイートが流れてきた。どうしてヘイトツイートが流れてきたのかというと、他でもない西野氏本人がリツイートしていたからだ。
西野氏曰く「アンチを手放してはいけない」。理由はアンチは勝手に宣伝してくれるから。
以前、「サイテー!キングコング西野はゴーストライターを使っていた!」というタイトルのブログがあった。どんな記事だろうと読んでみると、まさかの西野氏本人のブログだった。西野氏曰く「アンチは記事を読まずにタイトルだけで悪評とともに拡散してくれる」とのこと。うっかりクリックしてしまった僕も、まんまと乗せられてしまったわけだ。
悪評は宣伝なのだ。そのことに気づかないという点でもバカである。
さて、先日、産経新聞の記事について僕はこのようなツイートをした。
産経って結論ありきの文章書くのか。これは紙媒体の文体ではない。 僕のブログのPV数急上昇の原因はこれか。中途半端な批判はかえって宣伝になるみたいだ。産経さんにはこれからも感情的な煽り記事で、僕のブログのPV数向上に貢献していただきたいものだ。
狙いは産経新聞の批判ではない。再び燃え上がった炎上の火を長持ちさせるため、あえてピースボートの悪評記事を拡散させてみた。つまり、産経のピースボートへの悪評記事を読んでもらい、そこから興味を持って検索してもらって、僕のブログに来てもらおうという魂胆だ。他人炎上商法、放火商法である。
結果、面白いデータが得られた。
このツイートを呼んで産経の記事のリンクをクリックした人より、僕のプロフィールをクリックした人の方が倍の数いたのだ。
つまり、「産経ってそんなひどい記事書くのか」という人よりも、「産経の悪評を書いてるこいつは何者?」と思った人の方が多かったのだ。
結果的には僕の宣伝になったのだから結果オーライだが、必ずしも悪評は人を狙い通りに動かせるわけではないということを再確認した。
バカだと思う理由② 「ネットでピースボートについて調べてみてください!」という人に限って、ネットで調べていない
たまにこういう悪評を見る。「ピースボートはとんでもない団体です! ネットで調べてみてください!」。
その言葉通りに「ピースボート」と国内最大手のヤフーやグーグルで検索してみよう。
ピースボートの公式サイトやウィキペディアが出てくる。ウィキペディアはピースボートのいいことも悪いことも書いているので、これだけでは「とんでもない団体」かどうかはわからない。
そこから先は割と好意的な記事が並ぶ。
他にもいろいろと検索してみよう。
例えば「ピースボート 怪しい」。圧倒的な検索数を誇る検索ワードだが、前述の通り、トップに出てくるのは私の記事だ。他にもトップに好意的な記事が並ぶ。
次に「ピースボート 評判」これもなんと、私の記事がトップだ。悪いね、私ばかりトップで。その後も好意的な記事が並ぶ。
ここまで、好意的な記事と悪評の記事の割合は3:1といったところか。あと、「人によって評価は変わるよ」という記事もある。
「ピースボート 洗脳」だと少し様相が変わる。割合は半々といったところか。ただ、僕に言わせればほとんどが洗脳のやり方や洗脳とマインドコントロールの違いといった基本的なことすら知らないまま書いている、話にならない駄文ばっかりだが。
最後に、「ピースボート 左翼団体」。これは悪評記事が3割といったところか。
何が言いたいのかというと、私の記事は結構上位に来ているという自慢だ! いや、違う。自慢したいのもあるけど、今言いたいのはそうじゃない。
何が言いたいのかというと、「割と好意的な記事の方が多く検索されている」というものだ。
つまり、「ピースボートについてネットで調べてください!」という人は、ネットで調べればピースボートについての悪評がいっぱい出てくると思っているようだが、実際は違うのである。
だからバカだというのだ。「ネットで調べてください」と言っている本人が実はネットで検索すらしていない。ネットで検索していないくせに「ネットで検索すれば、ピースボートが悪い団体だとわかってもらえる」と勝手に思い込んでいる。実際は好意的な記事が多く検索されていることを検索エンジンが証明している。
「ネットで調べてください!」という人に対しては「ネットで調べてからモノ言え、バーカ」と影で嗤っている。
最後に
この記事はあえて突っ込みどころを残してある。この行まで読まずに途中で辞めた人や、読まずにタイトル見ただけの人が「バカがバカな記事を書いてるぞ。お前こそバカだ!」みたいな悪評を誰かが書いて拡散してくれれば……、僕の思うつぼである(笑)