アニメというよりも、ライブ

今期のアニメは豊作じゃ! 始まる前から面白そうなアニメが多いなぁ、とは思ってたけど、今期はかなりの豊作! 大豊作! 左門豊作!

「夜のクラゲは泳げない」、「怪異と乙女と神隠し」このへんもなかなか面白い。

「終末トレインどこへいく?」は僕にもなじみのある西武沿線が舞台で、好きな声優さんもそろってて、毎週楽しみに見てます。内容がカオスすぎて見終わった後の感想が「あれは一体なんだったんでしょうか……」しか出てこなくて困ってるのですが。

ただ、今期で一番ハマってるアニメはやっぱりこれかな。

「ガールズバンドクライ」

私の周りでも、毎週のように話題です。しかし今期は、10文字前後のタイトルのアニメが多いなぁ。

タイトルにある通りガールズバンドのアニメなんだけど、一話目を見てなかなか良かったなぁ、とエンディングのクレジットを見ていたら、なんと脚本が花田十輝先生だったんです!(僕は原則として、アニメを見る前の下調べは一切しない)

花田脚本のアニメはいっぱいあるけど、僕は「宇宙よりも遠い場所」と「ラブライブ!サンシャイン!!」が大好きです。ラブライブサンシャインは二回見て、「よりもい」はもはや数えきれないほど見てます。

そして今度の「ガールズバンドクライ」もさすが花田脚本な内容。

まずやっぱりチームの書き方が上手いんですよ。最近のアニメは、とりあえず癖の濃いおもしろキャラクターを並べとけばいいだろってだけで、キャラの関係性を描くことができず、チームを描くということができない作品が多い中で、花田脚本は「この4人の関係性がいいなぁ」「このグループいいなぁ」「このバンドいいなぁ」としっかりチームの良さを描いてる。

また、「よりもい」や「ラブライブ!サンシャイン!!」のように、特別な才能を持つ主人公が活躍するような話じゃなくて、ごく普通の何物でもない女の子が、何者かになろうとして必死でもがく、そんな話なんです。

「ガールズバンドクライ」でも主人公の仁菜はバンドのボーカルなんだけど、「天性の歌声」とか「唯一無二の歌声で人を魅了する」みたいな天才っぽい描写はない。もちろん、ちゃんと歌の上手い人をキャスティングしてるんだけど、劇中での彼女の歌の評価は「心の中のダークな部分をロックにぶつけるところ」とか、「承認欲求で歌ってるわけじゃないところ」など、才能とか技術とかではなく、歌への向き合い方を魅力として描いています。

性格ははっきり言ってメンヘラ。「厄介」とか「正論モンスター」とか言われてる。

でも、それもネットで話題になるだろうとかネタとしてウケるだろうとかそういう計算で書いてるんじゃなく(実際にはだいぶネットで話題だけど)、やっぱり仁菜という人間をしっかりと描こうという想いを感じるんですよ。つまりは、ネットやオタクに媚びてない。

毎回の進め方もすごくいいです。ガールズバンドクライはバンドのアニメなので、たまにEDの代わりに演奏シーンで締めくくることがあるんだけど、その演奏シーンがかっこよくなるようにお話が進められていくんです。

特に、第8話は圧巻だった。冒頭から積み重ねられてきた感情がクライマックスで一気にぶつかり合う。アニメじゃなくてバンドのライブを見てたんじゃないかっていう高揚感でした。

ガールズバンドクライ、いろいろ書いたけど、その魅力を一言で言うならばまあ、ロックなんです。