義務で映画を見に行かない

あたしゃもう、疲れたよ。

テレビをつけても、ネットを見ても、ラジオをつけても、あの映画を見たかあのドラマを見たかネトフリを見たかと、無理に進めてくるのです。

疲れた! あたしゃもう、疲れた!

なので、義務で映画を見に行くことを、やめました。

どういうことか。

予告映像とかを見てもピンと来てないのに、「でも、○○だからなぁ……」という義務感で映画を見に行くのをやめた、という話です。

話題作だけど、予告映像を見ても宣伝文句を聞いても全然ぴんと来ない。さて、どうしたものか。

でもなぁ、といろいろと考えるわけです。あの監督が撮った映画だからなぁ、あの脚本家が書いた映画だからなぁ、あの会社のあのシリーズの映画だからなぁ、社会現象になってるからなぁ、もしかしたら世紀の大傑作かも……。見に行った方がいいのかな……と。

でもその時、ふと思ったんです。

全然楽しみじゃないのに、「○○だから見た方がいい」という義務感で映画を見に行っても、朝起きて、ご飯食べて、家を出て、お昼食べて、映画館入って、チュロス片手にほかの映画の予告編を上映前に見てるこの時間が、ちっとも楽しくない!

よし、義務で映画見に行くの、やめよう!

もちろん、見た後で、「これは名作だ!  見に来てよかった!」と号泣する可能性は大いにあります。

そうだとしても、最初の予告やポスターでピンとこないのなら、見に行くまでがちっとも楽しくないから、やっぱり義務で見に行くのはやめよう。

というわけで、最初にピンとこないのならば、「○○だから」という義務で映画を見に行くのをやめるようにしました。

映画に限らず、何かのイベントとか、何なら飲み会とか、行くかどうか迷ったときは、ふと自分の問いかけてみるのです。「君はワクワクしてるのか?」と。

すると意外と、義務で行こうとしてることって多いなあ、と気づいてきました。

でも、何事もやっぱり最初のワクワクって大事ですよ。好きなアニメとか思い返しても、放送終わった後もいつまでも好きなやつって、やっぱり1話目からワクワクしてのめりこめたやつが多いですね。最高だったぜ、ガールズバンドクライ。

逆に、ネットやメディアでどんだけ「すごい!」「名作だ!」と言われてても、見ててワクワクしないものは、やっぱり駄目ですね。結局、ネット受けするネタを詰め込んだだけで、のめりこめないし、だんだんとメッキがはがれて評判も落ちてくる。

「この映画がすごい!」「このアニメがすごい!」「このマンガがすごい!」みたいな話はいっぱい流れてきます。だけど、やっぱりどれもピンとこない。最初にワクワクできなかったものを「そうか、すごいのか」とためしに見ても、すごいのはわかるんだけど、やっぱりワクワクできないんだよなぁ……。

あと、「大どんでん返しがすごい!」みたいなやつは、それで散々ひどい目にあってきたので、もう信用しないのです。特撮の場合は特に。「どんでん返しがすごい!」「伏線回収がすごい!」なんて言われる作品は逆に、「ヒーローのカッコよさの何たるかがわかってないから、小手先のテクニックでごまかす」みたいな感じで、大人(特にオタク)からの評判はいいけど、お子様人気がまあ悪い。どんでんは返さなくていいから、まっすぐワクワクさせてくれ。

なので、義務であれこれ見るのをやめて、本当にワクワクできるものだけみたいな、と思う今日この頃です。

投稿者: ノック

民俗学ZINE作家。 「バズらないモノづくり」をテーマとする「ノンバズル企画」を主宰。民俗学専門ZINE「民俗学は好きですか?」を企画・執筆・製本・販売しています。「民俗学とは『生きること』を探求する学問」をテーマに、民俗学の魅力をわかりやすく、面白く、奥深く紹介していきます。