富士山は知らないことだらけ

あたしゃ何にも知らないのね、とつくづく嫌になりますよ。

4年後に富士山に登ろう! と計画して、まずは富士登山に必要な装備って何だろう、とググってみたところ、「富士登山オフィシャルサイト」なんてものが出てきました。

いや、オフィシャルって何だよ! 誰が書いてるんだよ! 富士山か! 富士山がパソコンで書いて更新してるのか!

もちろんそんなわけなくて、環境省と山梨県と静岡県が共同で運営しているサイトなのでした。

さて、さっそくサイトを開いてみると、衝撃の文字が!

「2025年の登山シーズンは終了しました」

ガーン!

シーズン終わったんかい!

ってか、シーズンがあったんかい!

あたしゃ、そんなことも知らなかったよ。

サイトによると、富士登山ができるシーズンは9月上旬から7月上旬に2か月間だそうです。

10月ぐらいが涼しくてよさそうだ、と思ってた僕は早くも出鼻をくじかれました。

さて、富士登山に必要な装備はどんなもんかとサイトを見ていると、さらに衝撃の言葉が。

「7月山頂 平均気温5℃」

……寒い! 7月なのに寒すぎる!

100m登れば0.6℃下がるので、標高3776mだと下界より25度くらい下がる計算なのはわかってたけど、いざ「7月は5℃です」と書かれると、いかに寒いかがわかります。

そういや、今年の夏、ケーブルカーで奥多摩・御岳山の山頂に行った時、万全の熱中症対策をしてきたのに、全く意味ないほど涼しかったもんなぁ。あそこより2000m以上高いんだぜ。

そりゃ、10月とか無理だわ。

さらに、4年後の登山を思い描きながらサイトを見ていると、まだまだ知らないことがありました。

なんと、富士山には、登山ルートが4つもあるんです。

なんとなく、登山口は1個だと思ってたけど、まあ、あんなにデカいんだから、そりゃルートもいっぱいあるかぁ。

えっと、一番カンタンなルートはどれですか……。あんまりトラップとか敵キャラとかがいないルートで……。

なんてこった。冒険のプランを組もうと思ったら、まずどのルートか選ぶかで全然違うなんて。なんだか、ポケモンの最初の3匹のうち1匹を選ばなければいけない、みたいな話です。そう、冒険はいつだってなにかを選択することから始まり、家に帰って洗濯して終わるのです。

あんなにデカくて、東京からもよく見えるのに、富士山、知らないことだらけだなぁ。日本には、そして世界には、まだまだ知らないことばかり。だから面白いんですね。

おハーブおキメになりますわ

ガラにもなく、ハーブティーを飲み始めました。

寝る前のお楽しみに何か飲もうと思ったんだけど、お酒は苦手、というより、嫌い。

あと、夜に刺激物はあんまとりたくないなぁ。寝る前はやっぱりリラックスできるものがいい。

ところが、コーヒーも紅茶も緑茶も、カフェインが入ってるから、寝る前に飲んじゃダメだというのです。あたりまえじゃ。

じゃあ、何を飲めばいいんだろうと考えてハーブティを飲むことにしたのです。ノンカフェインの上、リラックス効果が高い!

とはいえ、ハーブなんて何から飲めばいいんだろう、と近所のカルディをうろうろとしていると、5種類のティーバックが入ってて500円というのを見つけました。

これだ。これでまずはいろいろと試してみよう。

というわけで、20日ほど、夜な夜なハーブをお湯に沈めて飲んでみたわけです。

淹れ方を調べては首をかしげ、試しにミルクと混ぜてみては首をかしげ、試しに砂糖を入れてみては首をかしげ。

いろいろ試しながら飲んでみて、少しずつ自分にあうあわないがわかってきました。

いまのとこ、ペパーミントがお気に入り。ミントの独特の風味が、食べ物に入ってるときはあんまり好きじゃないんだけど、飲み物として飲むと、なんともさわやかなんですよ。

風呂上がりに飲むんだけど、もうひとっ風呂入ったかのようにリラックスできます。

あんまり合わなかったのがレモンジンジャー。酸味が強いのはどうも苦手ですね。

でも、僕が飲んでたのは安物だし、調べてみるともっと美味しそうなレモンジンジャーの画像とか出てきたし、体にいいのはわかるしで、もうちょいいいやつを探してみてもいいのかもしれません。

また、ティーバッグの中にはいろんなのをブレンドして作った「スリーピー」というのがあって、名前の通り快眠にいいみたいです。

というわけで飲んでみたんだけど、別にスムーズに寝付けるわけじゃない。

なんじゃい! と思いつつも眠り、翌朝目を覚ます。

ところが、朝は寝覚めが悪すぎて午前中は使い物にならないでおなじみのこの僕が、ありえないほどすっきりと目覚めて、午前中から快調なのよ!

こ、これが質の良い眠りというやつなのか!

ほかのハーブティーも、飲んでしばらくするとちゃんと眠くなってくる。リラックス効果は間違いないようです。

さて、最初に買ったパックがそろそろなくなってきました。というわけで、ペパーミントだけのケースを新たに購入しました。

スリーピーはまだ残ってるけど、これもいずれ補充しようと思います。

レモンジンジャーは、どうしようかな……。

あと、この前、大宮駅でハーブティーの専門店を見つけました。これまで、そんなお店に行くことはなかったのに、人って変わるものです。習慣が変われば体調が変わり、行動も変わるのです。

そこで試飲したブレンドハーブティーがまあおいしいこと!

ところが、一包み3000円するのですね。

こんなお高いもの毎日飲むわけにはいかないけど、週に一度のお楽しみとして家に置いといてもいいかなぁ。

富士山に登りたい!

4年後に、富士山に登りたい!

今年は滋賀の比叡山や長野の諏訪など、日本の宗教における聖地ってやつをあちこち回り、修験道や自然信仰などあれこれ調べてました。

さて、日本一の霊峰ってなるとどこだろ、って考えると、やっぱり富士山ですよね。古来より、強い信仰の対象となってきました。

ところが、僕は富士山に登ったことがない! 5合目までは車で行ったんだけど。

やはり、一生に一度はのぼりたいな富士山。 富士山の上でおにぎりを食べたい。そして、触れたい。山岳信仰の真髄ってやつに。

よーし、地球一周から10年。新たな冒険の舞台は富士山だ!

と思い立ったはいいものの、「よし、来週行こう!」なんて気軽に行ける場所じゃなく。

いや、ふもとまではちょっと予定と予算を組めば来月でもいいけど、「登る」となるとそれなりの準備と覚悟が必要です。

4年後はちょうど40歳だし、体力のいるチャレンジをするにはちょうどいい頃合いかもしれない。

というわけで、4年後を目標に掲げたのです。

まずはこの4年間で、富士山に登れるだけの体力と経験をつける。

そして、富士山に登れるだけの装備もそろえる。

その第一歩としてまずは地元のアウトドアショップに足を運んでみました。

最低限必要なのは、富士山に耐えられる服と靴とバックパック。さて、いくらくらいあれば……。

……え、高っ……!

この予算だったら、富士山登らないで、河口湖あたりのいいお宿に泊まってたらふく食べてゆったりできるのでは……?

うーん、でも、ただの洋服や靴を選んでいるんじゃありません。3000m以上の高所を歩くための、命を守るための装備。お金がもったいないから安物でいいやというわけにはいかぬ。

そういえば、大好きなアニメ「ヤマノススメ」でも、あおいちゃんがアウトドアショップで金額に目を回してるエピソードがあったなぁ。

まあ、今すぐ全部そろえる、今すぐ全額払えとなるとお財布が痛いけれど、4年かけてちょっとずつそろえていけばいいか。

そして、いきなり富士山に登るんじゃなくて、1000m、2000mと少しずつ体力と経験をつけていかないと。

なるたけ、修験道とか山岳信仰とかかわりの深い山がいいなぁ。

おまけのコーナー

今年、諏訪を旅した時のこと。ゲストハウスで一緒になった人たちが登山好きの人たちで、いろいろと話してたんですけど、登山好きの人たちって「○○山」「××岳」の「山」や「岳」を省略するんですね。

Aさん「あそこ登ると、天狗が見えるんですよ」

僕「へぇ! 天狗がいるんですか!」

もちろん、本物の天狗がいるのではなく、「天狗岳という山が見える」という意味でした。

ため息の呪術

ここ最近、ご飯を食べたのに食べた気がしないなんてことがよくあります。

要は、集中して食べてないのですね。ほかのことを考えながらご飯を食べてるから、ゆっくり味あわずに、気づいたら「あれ? もうラーメンの麵がない!」なんてことになってる。

よく行くラーメン屋とか、マクドナルドとか、慣れてる店ほどゆっくり味あわずに、「あれ?」と思ってることが多いです。

これはよくない。よくないですねぇ。

カップラーメンだろうが、マックのポテトだろうが、コンビニ弁当だろうが、せっかく食べるんだったらおいしく味わって食べたいのに、これはよくない。

どうしたら、もっと集中して、味わって食べられるんだろう。ずっと集中しながら食べるのも疲れちゃうし……。

で、最近気づいたのが、どうやら食べながら「うん、うまい!」みたいな感想をつぶやくと、気持ちが味の方に集中できるということです。

「孤独のグルメ」みたいに心の中でなんかつぶやくよりも、声に出した方が、気持ちが集中できるみたいです。

ただ、行列のできるラーメン屋とかで「うん、うまい!」ならわかるけど、マックでいちいち食べながら「うん、うまい!」と言ってる人は、まずいません。ヘンな人です。

で、声に出す代わりに「ふぅ~む……」と深いため息をついてみる、これがけっこう効果的みたいです。

ラーメンをすすっては唸り、ハンバーガーをかじっては唸り、おにぎりをほお張っては唸る。そうすることで、気持ちが味の方に集中できて、それでいて無理に頭を働かせることもなく、気疲れしない。

しかもこれ、食事以外にもいろいろ効果があるようで。

疲れてるときに栄養ドリンクを飲む。黙って飲むんじゃなくて、「……くぅ~!」みたいに唸ると、なんだか疲れに効いてきてる、ような気がする。

お風呂に入るときも、黙って入るよりも、「ぼへぇ~!」みたいに唸ることで、体がほぐれて、より疲れが取れている、ような気がする。

もちろん、科学的根拠は全くないし、いわゆる「プラシーボ効果」が発生しているのかどうかすら疑わしい。もはや、一種の呪術です。「ふぅ~む」とか「くぅ~!」とか「ぼへぇ~!」とか「ふにゃ~」とか、声に出すというか声にならない声を出すことで、自分自身に暗示をかけて「お前はいまうまい飯を食っているのだ」「お前はいま疲れを癒しているのだ」というモードに向かわせるための呪術なのかもしれません。

ここは地獄か?

フェイスブックの広告、多すぎません?

いや、そういう広告があるからフェイスブックにお金が入って、みんなが無料で使えるっていうのはわかるんですよ。広告は大事です。

でも、特にスマホで見ているときに、タイムラインの2番目くらいから延々と広告が鈴なりに続いて、スワイプしてもスワイプしても広告ばかり。俺の友達の投稿はいったいどこに行ったんだ?

ここ最近のネットはなんだかおかしいです。

グーグルで検索すれば、一番最初に表示されるのはAIによる回答。

どこまで正しいのかわかんないし、間違ってても誰も責任とらんし、見るだけ時間の無駄だと思って、目を通すことなくスワイプします。

おまけに今度はツイッターが、検索したらタイムラインの上の方に、検索内容とは何の関係もないニュースが表示されるようになって。

広告ならまだしょうがないかと思うけど、ニュースはいらない!

なるたけ余計な情報は見たくないんですよ。だって、ネットのデマに踊らされない最も確実な方法って「そもそも、ネットを見ない」なので。

ああいうデマっていうのは読み手の怒りや不安を煽るように巧妙に罠が仕掛けられているので、「情報を見たうえで、真偽を判断する」というのはほぼ不可能ですね。「俺は真偽がわかる」なんて思っちゃダメ。「見たら最後、必ず騙される!」、そう考えて、なるべく余計な情報は避けるようにしているんです。

それにしても、「正しい情報を、最短で手に入れたい」ってだけなのに、広告が多すぎたり、余計なニュースが入ってきたり、あってるかどうかわからないAIが答えたり、どうなってるんだ最近のネットは! 進歩すればするほど、手間ばっかりかかるじゃないか!許さんぞ、イーロンマスク!

だけど、おかしいのはプラットフォームを提供する側だけではないようで。

ツイッターにはタイムラインとは別に「おすすめ」の欄があります。好きな声優さんの見逃してた告知とかが流れてくるので、たまにチェックしてるんだけど、声優さんの告知なんてのんきな投稿よりも多いのが、誰かの炎上、苦情、中傷、差別、怒り……、侮蔑……、憎悪……。

……地獄か、ここは?

こんな業の塊みたいな投稿ばっかり「おすすめ」しやがって。誰が選んでるんだ? ほんとにAIか? マーラが選んでるんじゃないのか? 僕が菩提樹の下で悟りの境地に至るのを邪魔しようとしてるんじゃないのか?

ネットのことをテレビと比べてニューメディアなんて呼ぶ人もいるけど、勘違いも甚だしいですよ。まさに2500年前に釈迦が説いた六道輪廻の世界そのものじゃないですか。ニューどころか、クソ原始的なメディアなんじゃないか。

政治や国際情勢についてあれこれ語るより、怒りとか恐怖とか刺激とかにすぐ我を忘れて反応しちゃう自分の心の乱れともっと向き合ったらどうかね、と思う今日この頃です。

ここ半年くらい、SNSやネットニュースを見る量を減らしたり、サブスク見るのやめたりと、自分の心の乱れを減らすためにネット時間を減らすように心がけているんだけど、もっと大幅に削ってもいいのかな、って思うのですよ。

日光のお猿さんの精神です。余計な情報は見ざる、心を乱す話は聞かざる、日ごろの愚痴や人の醜聞は言わざる。

そうして削った時間で、窓の外の雲を見たり、近所の森から響く虫の音を聞いたり、コーヒー飲みながら本を読んだり……、なんてできたら優雅でいいじゃないですか。

ルパンは覚えているか?

去年、潰れかけたTSUTAYAからアニメ「ルパン三世 第2シーズン」のDVDを大量に手に入れました。

そう、ルパンみたいに鮮やかに盗んだんです。ウソ! 中古で安く買い取ったんです!

50年も前のアニメだけど、子供のころに夕方の再放送で、毎日見ていた思い出のアニメなんですよ。

DVDを買って、あれから1年……。

まだ見終わってません!

月に1~3回のペースで、数話まとめてみてるけど、なんせ100話以上手に入れたもので、いまだに見終わらない!

それでも、残りあと18話くらいのところまで来ました。もうすぐ見終わっちゃう……。ああ、さらば愛しきルパン……。

……いや、あと1クール以上あるがね。

仮面ライダーだったら、18話もあったらそろそろ新ライダーに慣れてきて、強化フォームとか出てきて、敵幹部の一人くらい倒してたりして、2号ライダーとか3号ライダーとか出てくる、それくらいの話数ですよ。

仮面ライダーガヴだと、ちょうど仮面ライダーヴラムが出てくる頃です。

仮面ライダーゼッツだと……、これは今月始まったばかりだった。

さて、1年かけて100話以上をようやく見終わるんですけど、100話以上もあると、最初の方に見た話がどんなだったか、もうあんまり覚えてないんですね。タイトルを見ても、あらすじを何となく覚えてる程度。

ヤツはとんでもないものを盗んでいきました……私の記憶です!

これは2周目も楽しめそうだぞ。

記憶と言えば、びっくりしたことがあって。

第14話「カリブ海の冒険」を見たときのこと。

話の中にはタイトルを見ただけで「この話、子供のころ見た!」と明確に覚えてるものもあるんですけど、「カリブ海の冒険」というタイトルには特に覚えがなかったんです。

で、見て見ると、物語の冒頭でルパン一行がカリブ海へとやってきて、飛行機のタラップを降りたルパンが一言、

「タイトル」

とつぶやくと、サブタイがタイプライターっぽく打ち込まれるおなじみのあのタイトル演出が入ります。

そのシーンを見たとき、僕の体にビリビリと電流が。

このシーンこそ、25年も前に僕が初めてルパン三世を見たときのシーンだったからなんです。友達に夕方やってるルパン三世が面白いと教えてもらって、初めて見たときの話がまさにこの「カリブ海の冒険」だったんです。

そこから毎日のようにルパン三世を見てたのに、「一番初めに見たシーン」を25年もたって覚えていたなんて。

ほかにも、知らない話だなぁと思ってみていたけど、ラストシーンで、「あ、これ、昔見た!」と思い出す話もいくつかありました。

そんなこんなでもうすぐ手に入れたDVDをすべて見終わるのですが、DVDにはあと6巻、欠番があるんです。

でも、獲物は必ず手に入れるぜェ。

じっちゃんの名に懸けて!

……あ、このセリフじゃなかった……。

スマホが壊れただけだけど

スマートフォンが壊れました。

操作がおかしくなって、2日でとうとうお陀仏です。中のデータとかはたぶん無事なんだけど、操作ができないから、ロックが解除できず、引き出せない。

幸いにも保証期間内だったので、すぐに無料で交換してもらえることになりました。

おまけに、ひとつ前のスマホをとってあって、そこにほぼ同様のデータが残っていたので、そっちのデータを移行して引継ぎは終了。

なので、そこまで深刻なトラブルではなかったんだけど、おかしくなってから新しいスマホが届くまで、スマホがいつもの10%ぐらいしか使えない数日間が続きました。

不便、と言えば確かに不便。

とはいえとはいえ、普段からほとんどスマホに頼らない生活をしてるので、「ちょっと不便でイラっとする」くらいで、対して困らないのです。

これがもし、おサイフケータイみたいな電子マネーに依存してて、現金なんて持ち歩かないぜ、なんて生活をしていたら、もう絶望じゃないですか。この暑い中、コンビニでも自販機でも何も買えずに立ち尽くすしかない。

今回の教訓。金は、現ナマに限る。現金は裏切らない。

普段からそんなにスマホを使わないけど、それでもスマホが使えないとなると、いつもより頭を使います。ネットの検索エンジンでなく記憶と知識の検索エンジンをフル稼働し、アプリを使わず五感をフル稼働して街を歩きます。

だけど、これからAIがどんどん普及して、AIに頼りっぱなしの生活になって、それで急に「壊れました。使えません」となったら、と考えるとぞっとしますねAIに依存した社会で、急にAIが使えなくなったら、もはや人類はコンビニに行くことも最寄り駅に行くこともできなくなるんじゃないか。

AI依存社会でAIが急に壊れるというのは、文明に慣れ切った人が急に山の中で遭難してサバイバルしなきゃならないようなものです。

たぶん、「AIが使えない」だけじゃすまないと思うんですよ。「AIが使えなかったら何をしていいのかわからない」みたいになるんじゃないか。

ふだんからAIに頼ってAIに何でも聞いて、そんな人が急にAIを使えなくなったら、「自分で考えて判断する」、そんな当たり前のことすらできなくなってるんじゃないか。

SF映画にありがちなAIの大反乱なんかよりも、急なシステムエラーの方がよっぽど現実味がある気がします。今でさえしょっちゅう、あの銀行のシステムが壊れたとか、あのサイトのサービスが使えないとか、やってるんだから。

長く愛されるモノづくり

この1年はオタクしておりました。

僕は、好きなアニメを1つ挙げろと言われたら、2017年の「プリンセス・プリンシパル」と、2018年の「刀使ノ巫女」の二つを挙げます。

「1つだけ挙げろ!」と言われても2つになっちゃうのは、同率1位なんだからしょうがありません。

この2つのアニメ、もう7,8年前のアニメなのに、最近になって動きが活発になりまして。

まず、去年の11月、今年の4月、8月と3回にわたって刀使ノ巫女の上映会が開催。しかも、毎回キャストの声優さんがゲストという豪華っぷり。私は全部行きました。

1月には横浜でポップアップショップが開催されました。もちろん、行きました。

一番びっくりしたのが冬にやったクラウドファンディング。展示会を開催するため、200万円を目標に始まったところ、わずか90秒でクリア。その後も支援金が集まり続け、最終的に3500万円、達成率1750%で終了。「パーセント」とはいったい……?

もちろん、私も支援しました。

その合間、5月にプリプリの新作映画が放送され、再放送があり、過去の劇場版の配信があり、ニコニコ生配信があり……。

もちろん、映画見に行ったよ。

プリプリの怒涛の稼働っぷりが終わったかと思いきや、今度は刀使ノ巫女の上映会が再開し、秋には展示会がいよいよ開かれ……。

いやぁ。どっちも平成の終わりのアニメなんですけどねぇ。

私は本当に令和を生きているのだろうか?

平成をもう一度やり直しているんじゃないだろうか? なぁ、お前たちの平成って……。

いやしかし、どっちも原作なしのオリジナルアニメ。それでいて放送から7年8年たってもいまだに展開が続いている、というのは本当にありがたいことですよ。

プリプリは2年くらい音沙汰がなかったし、刀使ノ巫女に至っては公式アカウントはもう死んだんだと思っていたよ。

いまや毎クール、数えきれないほどのアニメが作られていますが、原作のないオリジナルアニメは、アニメが終わったらそれで終わり、という作品がほとんど。7年8年どころか、3年後だってこんなに活発には動きませんよ。

今の時代、SNSで広く拡散するアニメに注目が行きがちだけど、7年8年たってもいまだに稼働し続ける「長く愛される作品」は本当に少ない。

じゃあ、刀使ノ巫女やプリプリのように長く愛されるって、ほかのアニメと何が違うんだろうか、「長く愛されるモノづくり」って何なのだろうか、というのを今考えているところです。

僕の作る民俗学エンタメZINE「民俗学は好きですか?」は10月で創刊6周年。さらに10年20年と続けるために何が必要なのかを考えているのです。

熱中症より怖いもの

夏になってもう二回も、道端で熱中症のバアさんを介抱する羽目になりました。

二人も介抱して思うのが、どっちのババ……バアさんも、認識が甘いなぁ、ということなんですよ。

自分の体調の異変、体力の衰え、夏の異常な暑さ、そういうものへの認識が甘いなぁ、と思うんです。

70過ぎのバアさんが、40℃になるかならないかニュースで騒がれてる日の真昼間に、どうして外をうろついているのか。

70過ぎのバアさんが、日傘とか帽子とか熱中症対策を全くせず、どうして夏の真昼間を歩いているのか。

で、見てみるとどちらものバアさんも買い物袋をぶら下げてるんですよ。

買い物なんて、夕方にしろぉ!

わざわざ昼間に外に出て、熱中症になりました、歩けません、助けてください、と言われても、正直「知らんがな!」というのが本音ですよ。

で、塩タブレット持ってたんで、それ渡してとりあえず舐めてください、と言っても舐めないんです。

ぼおっとして頭が回らない、というわけではないみたいです。こっちの言ってる内容は通じて、理解してる。

でも、「私にはまだ必要ない」「そこまで体調悪くない」そんな風に思ってるように見えるんです。まともに歩けてないのに。

猛暑をナメるな、塩をナメろ! と、イライラしてくるわけです。

ただ、後になって思うのが、もしやあれが「正常化バイアス」というやつだったんじゃないかな。

正常化バイアスっていうのは、事故とか災害とか何か異常が起きたときに「こんなの大したことない」「自分は大丈夫だろう」と思い込んでしまうこと、だそうです。

熱中症で明らかにまともに歩けてないのに、すぐそこだからと家に帰ろうとする。

まっすぐ歩けないのに、「自分はそこまで体調悪くない」「ちょっと休めば大丈夫」くらいにしか思ってないんですよ。ナメてる、というよりはやっぱり、正常化バイアスだったんじゃないか。

ウ~む、だとしたら、イライラして悪かったなぁ。

でもね、お水飲んでください、とペットボトルを差し出しても、「私は大丈夫だから、このお水はあなたが飲みなさい」と言って返してくるんですよ。息も絶え絶えに。

イラっとするわけですね。なんだ、曇りの日でも万全の熱中症対策をしてるこの俺が、アンタより体調悪そうに見えるか? と。俺の足元がふらついてるんじゃない、アンタがふらついてるんだ、と。

何より、他人に気を使う前に、自分の体調に気を使って、外出を控えるとか、ネッククーラーつけるとか、もっとちゃんと対策してれば、道端で熱中症になることもないんだよ! とイライラするわけです。

そして、私、学びました。正常化バイアスに陥っている人に向けて、「塩タブレット舐めてくださいね」「お水飲んでくださいね」なんて親切そうな言い方をしても、動いてくれない。

「なんだと、俺の水が飲めないっていうのか!? つべこべ言わずに黙って飲めクソバ〇ア!」ぐらい強い言い方をしないと、お水を飲んでくれないんです。

悪い言い方をすれば、「脅す」。そのくらいしないと、お水飲んでくれない、マジで。

少し前に津波警報が出ましたけど、テレビをつけると「にげて!」「にげろ!」と強い言葉で書かれてるんですね。あれは「避難してください」なんて丁寧な言葉じゃ逃げずに津波に飲まれてしまった人がいたという、東日本大震災の経験からなのですね。これもまた、正常化バイアスのせいだといわれています。やっぱり、ちょっと脅すぐらいのつもりじゃないと、危機意識を抱いてはくれないみたいです。

という、熱中症よりも正常化バイアスの方が怖いかもよ、というお話でした。

義務で映画を見に行かない

あたしゃもう、疲れたよ。

テレビをつけても、ネットを見ても、ラジオをつけても、あの映画を見たかあのドラマを見たかネトフリを見たかと、無理に進めてくるのです。

疲れた! あたしゃもう、疲れた!

なので、義務で映画を見に行くことを、やめました。

どういうことか。

予告映像とかを見てもピンと来てないのに、「でも、○○だからなぁ……」という義務感で映画を見に行くのをやめた、という話です。

話題作だけど、予告映像を見ても宣伝文句を聞いても全然ぴんと来ない。さて、どうしたものか。

でもなぁ、といろいろと考えるわけです。あの監督が撮った映画だからなぁ、あの脚本家が書いた映画だからなぁ、あの会社のあのシリーズの映画だからなぁ、社会現象になってるからなぁ、もしかしたら世紀の大傑作かも……。見に行った方がいいのかな……と。

でもその時、ふと思ったんです。

全然楽しみじゃないのに、「○○だから見た方がいい」という義務感で映画を見に行っても、朝起きて、ご飯食べて、家を出て、お昼食べて、映画館入って、チュロス片手にほかの映画の予告編を上映前に見てるこの時間が、ちっとも楽しくない!

よし、義務で映画見に行くの、やめよう!

もちろん、見た後で、「これは名作だ!  見に来てよかった!」と号泣する可能性は大いにあります。

そうだとしても、最初の予告やポスターでピンとこないのなら、見に行くまでがちっとも楽しくないから、やっぱり義務で見に行くのはやめよう。

というわけで、最初にピンとこないのならば、「○○だから」という義務で映画を見に行くのをやめるようにしました。

映画に限らず、何かのイベントとか、何なら飲み会とか、行くかどうか迷ったときは、ふと自分の問いかけてみるのです。「君はワクワクしてるのか?」と。

すると意外と、義務で行こうとしてることって多いなあ、と気づいてきました。

でも、何事もやっぱり最初のワクワクって大事ですよ。好きなアニメとか思い返しても、放送終わった後もいつまでも好きなやつって、やっぱり1話目からワクワクしてのめりこめたやつが多いですね。最高だったぜ、ガールズバンドクライ。

逆に、ネットやメディアでどんだけ「すごい!」「名作だ!」と言われてても、見ててワクワクしないものは、やっぱり駄目ですね。結局、ネット受けするネタを詰め込んだだけで、のめりこめないし、だんだんとメッキがはがれて評判も落ちてくる。

「この映画がすごい!」「このアニメがすごい!」「このマンガがすごい!」みたいな話はいっぱい流れてきます。だけど、やっぱりどれもピンとこない。最初にワクワクできなかったものを「そうか、すごいのか」とためしに見ても、すごいのはわかるんだけど、やっぱりワクワクできないんだよなぁ……。

あと、「大どんでん返しがすごい!」みたいなやつは、それで散々ひどい目にあってきたので、もう信用しないのです。特撮の場合は特に。「どんでん返しがすごい!」「伏線回収がすごい!」なんて言われる作品は逆に、「ヒーローのカッコよさの何たるかがわかってないから、小手先のテクニックでごまかす」みたいな感じで、大人(特にオタク)からの評判はいいけど、お子様人気がまあ悪い。どんでんは返さなくていいから、まっすぐワクワクさせてくれ。

なので、義務であれこれ見るのをやめて、本当にワクワクできるものだけみたいな、と思う今日この頃です。