Be “stay foolish”

マイメン・ゲバラがついにやってくれました。

「蒸風呂兄弟」なるユニットを組んで、車にサウナをのっけた「サウナカー」をかついでこの8月に世界を巡る旅に出たんです!

あ、ちがった。サウナカーに乗って旅に出ました。車かついでない。

いまごろモンゴルの空の下だとよ。

数か月前に連絡が来て、これこれこういう活動をしてるから、応援してくれないかと聞いた時、僕は素直にうれしかったんですよ。

30歳過ぎてこんなバカなことを純粋にやってるやつがいるのか、と。

僕も「民俗学のZINEを作って、売る」というバカなことをやっているという自負があるんですけれど、だからこそ思うんですよ。30歳を過ぎたたりから、「おバカ」を実践する人が少なくなってるなぁ、と。

体感では20代の頃の5分の1ぐらいですかね。

飲み会に行っても、話題が「仕事」「家庭」「投資」の話が増えてきた気がします。

そんな中でサウナカーに乗って旅に出るというおバカなことをゲバラが本気でやっている、というのが嬉しかったんです。

でも、それと同時に、なんだか悔しかったんですよ。

僕もゲバラとはベクトルが違うけど、「自分で紙媒体を作って、自分で売る」というおバカなことをやっているという自負があります。

だからこそ、この「おバカ」や「ワクワク」という領域で負けたくない。

いや、勝ち負けじゃないのはわかってます。っていうか、別にゲバラに勝とうとは思ってないし、「おバカ」の領域でゲバラに勝てるとも思ってない。

ただ、負けたくはないんです。

肩は並べていたいんです。

次にあいつに会えた時に「お前はすごいなぁ。俺にはもうあんなことはできないや」なんてことだけは言いたくないんです。

最近はそんなことばかり考えてますね。もっとワクワクできるはずだ。どうすればワクワクでゲバラに勝てる、と。

ZINEを作って売るという活動に少し慣れてきたところもあって、だからこそ思うんですよ。まだまだ、もっともっとワクワクできるはずだ、と。

今年の春にもそんなことがあって。

学生時代からの友人が、仕事でメキシコに引っ越したんです。

もちろん、彼は遊びに行ったわけではないけど、それでもやっぱり見知らぬ国に移住するのは、挑戦であり、冒険です。

彼の話を聞いてるうちに、こうしちゃいられない! と前々から考えていたシェア畑をレンタルしました。そっちが海を渡るなら、こっちは土を耕してやるぞ!と。

これまたやっぱり、友達が何かに挑戦しているさなかに、ぼんやり椅子に座って「応援してるよ~。頑張ってね~」と言ってるだけ、というのがイヤなんです。むしろ、張り合うことが僕なりの応援です。

旅をしてる人がえらい、海外に行く人がえらい、とは思わないけど、やっぱり旅をしてる人は偉いです。

さて、先日、寝転がってぼんやりラジオを聴いてたら、どこかで聞いたようなイントロが。秒で跳び起きました。その曲は88の出港曲「HOME」だったのです。

で、HOMEをラジオで聞きながら思ったのです。

そうか、僕が本当に負けたくないのは、船旅をしていた時の自分だ、と。あいつなんだ、と。

まだ10年もたっていないのに、「冒険はもうやめたよ。大人になったのさ」とだけは言いたくない。

あいつに、あの頃の自分に、勝ちたい!

とりあえず、当面はいま作っている「民俗学は好きですか?」のvol.10を、もっと面白く、もっとワクワクするものに仕上げることですね。

10冊目になってZINEの方向性もだいぶ固まってきたようにも思えるし、ここらでそろそろぶっ壊したくもあるし、これもまた冒険です。

自分が面白いと思えることをやって、それを見て面白がってくれる人がいたら、最高です。

投稿者: ノック

民俗学ZINE作家。 「バズらないモノづくり」をテーマとする「ノンバズル企画」を主宰。民俗学専門ZINE「民俗学は好きですか?」を企画・執筆・製本・販売しています。「民俗学とは『生きること』を探求する学問」をテーマに、民俗学の魅力をわかりやすく、面白く、奥深く紹介していきます。