冬がはじまるよ♪

今年は「冬がはじまるよ♪」がラジオで流れる前に、冬がはじまっちゃってる気がしますね。

まったくもって、無作法な冬ですよ。入場曲を流さずにいきなり入場してくるなんて。

そういえば、今年の夏、あいつも無作法でしたねぇ。

ラジオで「若者のすべて」が流れてるのに、ずっと居座ってるんだもの。

9月ぐらいにあっちの番組でもこっちの番組でも「若者のすべて」が流れて、一日に二度も聞くなんてこともあったのに、

まだ居座ってやがる。

まあ、「真夏のピークが去った 天気予報士がテレビで言ってた♪」だから、ピークが去っただけで夏が終わったとは言ってないんですけど。

でも、あの曲はどこのラジオDJも「夏ももう終わりだなぁ」と思った時に流す曲です。そして、リスナーも「夏ももう終わりだなぁ」と思いながらしみじみと聞くんです。

だから夏よ、とっとと家に帰れ! 下校のチャイムはもう鳴ってるだろ!

「街灯の明かりがまたひとつついて帰りを急ぐよ♪」って歌ってるんだから、夏も急いで帰りなさい!

無作法といえば、秋も無作法です。今年は秋をあまり感じなかった。まったく、秋の定番のあの曲がラジオで流れてるというのに……。

……秋の定番のあの曲?

そんなのあったっけ?

童謡とかだとちらほらありそうだけど、ラジオじゃ流れないしなぁ。

そう考えると、秋って無作法の前に不憫なやつなんです。

秋が始まるときにはその期待感よりも「夏の終わり~♪」と名残惜しそうに歌われ、

秋が終わるときは惜しまれるどころか「冬がはじまるよ♪」と楽しそうに歌われる。

バンプには「冬が寒くて本当によかった♪」なんて言われる始末。秋は中途半端な気温で悪かったな。

毎年こんな感じなので、とうとう秋がへそを曲げて今年は来なかったのかもしれません。

ふだんはろくに期待もしてないくせに、いざ秋が短いと「今年の秋、短くない?」「このまま夏と冬だけなのかな。やだなぁ」と、人間ってやつは勝手です。

秋だって楽しいじゃないか。オクトーバーフェスとか、ハロウィンとか、秋のイベントですよ。

そもそも、こういうイベントは元々は収穫祭でしょ? 実りの秋。楽しい秋。世のミュージシャンはもっと秋の歌を歌うべきですよ。

たとえば、「飲める飲める飲めるぞー、酒が飲めるぞー♪」と毎月何かしらのイベントで酒を飲む唄「日本全国酒飲み音頭」で11月はどう盛り上げられているかというと……。

「11月はなんでもないけど、酒が飲めるぞ~♪」

……もうやめようか、この話。

投稿者: ノック

民俗学ZINE作家。 「バズらないモノづくり」をテーマとする「ノンバズル企画」を主宰。民俗学専門ZINE「民俗学は好きですか?」を企画・執筆・製本・販売しています。「民俗学とは『生きること』を探求する学問」をテーマに、民俗学の魅力をわかりやすく、面白く、奥深く紹介していきます。