思えば、僕の人生はたいてい何かに反発してばっかりなんです。
たとえば、「あしたてんきになぁれ」という小説。あれは学校や受験、就職といった枠組みへの反発が根底にあるんです。
「民俗学は好きですか?」ってZINEも、いろんなものへの反発が根底にありますね。
まずは、民俗学への反発。民俗学についてやってるのに、民俗学に反発するとはどういうことや。
民俗学の本って、わかりづらくて、面白くない本が多いんですよ。
「俗」ってついてるんだから、わかりやすくて、おもしろくないとダメだろ、っていう「反発」があって、なので「わかりやすく、おもしろく、奥深く」を掲げてZINEを作ってます。「勉強してる人やオタクにだけわかればええねん」はやめよう、と。
そもそも民俗学自体が、文献至上主義の歴史学への反発で生まれたものですし、偉人中心の歴史観への反発でもあるんですよ。さらに紐解くと、民俗学の父・柳田國男が官僚時代に抱いた、「地方の実情を無視した国策」への反発が、彼を民俗学の道へといざなったんです。民俗学ってそもそもが、反発の学問なんですよ。
また、ZINEというスタイルには、WEBライターやライター業界への反発が潜んでます。
自分でZINEを作ろうって思ったきっかけが、いまのWEBライター業界は、記事を量産してお金を稼ぐことしか考えてなくて、質のいい記事を作ろうという気概がない、という「反発」でした。
さらに、
「ライターってなんで自分でメディア作らずに、『お仕事待ってま~す』なの?」
「ライターってなんで自分の作品を自分で売らないの?」
「ライターってなんで自分でお客さんの前に立たないの?」
という業界そのものへの「反発」もあるんです。
反発に反発を上塗りする、反発オンザ反発スタイル。
さらに、「ノンバズル企画」という活動には、SNS社会の「バズることが正義」「ネット上の数字が正義」という風潮への反発もあります。
学校とか就職とか、民俗学とか、ZINEとか、自分が通ってきた道をもれなく反発で塗りつぶしていきます。反発の大怪獣です。後始末は誰がしてくれるんでしょうかね。
ピースボートだけは反発から免れているのかと思いきやどっこい、旅人界隈によくある「行った国の数をプロフィールに自慢する」とか「海外いっぱい旅したヤツがエラい」「旅するヤツがエラい」といった風潮にも中指たててます。
ここまで反発しっぱなしだと、きっと死ぬまで反発しっぱなしなのでしょう。世間が右を向けば左を向く。左を向けば上を向く。こういうやつを昔から「アマノジャク」と言うのです。