ラジオが深い!

ラジオの話が深い。深いのです。

ワイド番組と呼ばれるラジオにはたいていゲストコーナーがあります。ゲストコーナーは番組の大きな目玉。

いろんな人がゲストに来ます。ラジオは音だけのメディアなので、やっぱりミュージシャンが多い。スゴイ有名な人から、今日デビューしましたって人まで、ピンからキリまで。

もちろん、ミュージシャン以外のゲストも来ます。ものすごく有名な人から、「そんな人いるんだ」っていう人まで、やっぱりピンからキリまで。

それなりの知名度がないと出れないテレビよりも、そのすそ野が広いのがラジオの特徴なんです。

「そんな職業あるんだ」「なにその肩書き?」「そんな活動してるの?」という新たな発見が多いのが、ラジオの醍醐味。

ちなみに、今まで一番びっくりした肩書きは「大阿闍梨」です。

「来週のゲストは大阿闍梨の○○さんです」

……大阿闍梨!? そういうバンド名とかコンビ名とかじゃなくて、本物の大阿闍梨!?

一方で、すごい有名な人がゲストに来た時も面白いんです。普段テレビなどではしないような深い話をじっくりと聞けるんです。

たとえば、僕のイチオシのラジオ番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと(通称「ダレハナ」)」の先週のゲストが、秋元康さんだったんです。ちなみに、秋元康はこの番組のゲスト最多出演だそうです。

ちょうど前の日に、パーソナリティの山崎怜奈さんが乃木坂46の卒業を番組で発表したばかりというタイミングで、秋元康はご存じ乃木坂のプロデューサー。「公開面談」という形で、話の大半はれなちさんの個人的な面談。

でも、秋元康がやっぱりすごいなぁと思ったのは、れなちさんの個人的な相談に答えてるんだけど、それがちゃんとラジオ聞いてるリスナーにも突き刺さる、個人的な相談に乗ってるようで、広く色んな人に通じる話をしている、ってことなんです。やっぱさすがだなぁ。

そういう深い話をラジオでやってる、っていうのが面白いんですよ。ラジオは公共の電波だから、電波の届く場所にいて、ラジオを周波数に合わせれば、だれでも聞ける。でも、テレビより知名度は低いし、you tubeのようになん百万って単位のフォロワーを抱えているわけでもない。人気番組のツイッターアカウントでも、フォロワーは数万人程度。

誰でも聞けるのに、まず「この時間におもしろいラジオをやってる」と知ってる人が少ない。テレビやyou tubeが大通り沿いの華やかなお店だとしたら、ラジオは路地裏のバーとか、地下のライブハウスとか、そんな感覚。入場は無料なんだけど、まずそこに店があると知ってる人が少ない。

そういうところにゲストを招いて、深~いお話をする。いつもたまり場にしている隠れ家的なお店に、ゲストの人がやってきて、深い話をしてくれる。それが面白いんです。

投稿者: ノック

民俗学ZINE作家。 「バズらないモノづくり」をテーマとする「ノンバズル企画」を主宰。民俗学専門ZINE「民俗学は好きですか?」を企画・執筆・製本・販売しています。「民俗学とは『生きること』を探求する学問」をテーマに、民俗学の魅力をわかりやすく、面白く、奥深く紹介していきます。