これは発明だ!

引き続きですね、大人数の飲み会には参加したくない、っていう話です。

思えば、そもそも居酒屋の机自体が、20人、30人という大所帯の飲み会に向いてないんじゃないですかね。

どこのお店に行っても、お客さんが大所帯となると、机をくっつけて、テトリスの長~い棒みたいな形にしてます。

これだと、何十人で来ようが結局、隣と正面とはす向かいの5人ぐらいしか会話できません。遠く離れた席で会話が盛り上がってても、聞こえやしない。だったら最初から四、五人で来るのとそんなに変わらないじゃないか。

そういえばあのダ・ヴィンチの「最後の晩餐」に描かれているのも、長~い机でした(しかもなぜか、全員が同じ方を向いている)。これだと端っこの人は、イエス・キリストの話が聞けていなかったかもしれません。

イエス「この中に裏切り者がいる……」

弟子「え、なになに? よく聞こえない」

絵をよく見てみると、一番左端の弟子はイエスの方に向けて身を乗り出しています。やっぱりよく聞こえてないじゃないか。

右端の3人は話に夢中でイエスの方を見ていません。やっぱり聞こえてないじゃないか。

なにが「最後の晩餐」。これじゃまるで「よくある飲み会」です。最後の晩餐なんだから、もっと配慮した机を用意してあげてよ……。

そういや、イエスはもともと大工じゃないか。だったら、その場で机をのこぎりで半分に切るとかさ、色々と工夫が……。

なんの話だっけ?

やっぱり、細長い机っていうのがよくない。

特に、僕は左利きなので、僕の左側に右利きの人が来ると、高い確率で食事の時に肘がぶつかっちゃう。

つまり、細長~いテーブルの場合、僕が座れる席は列の一番左端の二か所しかないんです。

だからいつも、しゃべれる相手は、正面、横、はす向かいの4人だけ。

どーりで大人数の飲み会が楽しくないわけだ。

そう考えると、中華料理屋の丸テーブル、あれこそ、大勢で食事する時にうってつけの机なんじゃないのか?

細長いテーブルだと、テーブルをどう並べようが「一番遠い人」はめちゃくちゃ遠くなります。

でも、丸テーブルなら「一番遠い人」はなんと真正面に来る!

これは、発明だ!

しかも、中華の丸テーブルなら真ん中が料理を乗せてぐるぐる回るから、後輩が料理を取り分けるみたいな気づかいもいらない!

これは、発明だ!

そうなんですよ。「円」という図形は、数学的には「中心から同じ距離の場所を線で引いたら浮かび上がる図形」なので、丸テーブルの真ん中に料理を置けば、全員から等しく同じ距離になるのです。

これは発明だ!

そのうえ、丸テーブルに左端なんてない!

これは発明だ!

よし、特許をとろう!

投稿者: ノック

民俗学ZINE作家。 「バズらないモノづくり」をテーマとする「ノンバズル企画」を主宰。民俗学専門ZINE「民俗学は好きですか?」を企画・執筆・製本・販売しています。「民俗学とは『生きること』を探求する学問」をテーマに、民俗学の魅力をわかりやすく、面白く、奥深く紹介していきます。