今回は、ピースボートの寄港地で食べた食事について紹介する。「食」は最も簡単な異文化交流である。「口に合わない」ということですら、異文化交流であり良い思い出である。今回は寄港地で出会った口に合わない料理や食べきれない料理など、食事にまつわるエピソードを紹介する。
ピースボートの寄港地での食事①
フィリピンの民族料理
まず紹介するのは、88回クルーズ最初の寄港地だったフィリピンのショッピングセンターで食べたシシグ。
こんな感じで、お皿の上にはっぱをしいて、その上にひき肉料理(だったと思う)が乗っけられた。
これが、強烈ににんにくの味が効いているのだ。濃い!
一方で、あとからやってきた焼きそばが、今度は味が薄い!
一方は味が濃くて、一方は味が薄い。ということは混ぜてみると……。
ベストマッチ! ちょうどいい味になりました。みんなもシシグを食べるときは、味の薄いものと混ぜてみよう!
ピースボートの寄港地での食事②
インドの激辛カレー
「おなかを壊す人もいるので注意すること」
これが、インド上陸前にカレーについて言われた衝撃的な話だった。
辛すぎておなかを壊すって、そんなやつおまへんやろ~。チッチキチ~。
となめきって上陸した僕だったが、さっそくインドカレーの洗礼を受ける。
おやつを食べようと立ち寄ったマクドナルド。
まず、驚いたのがインドのマクドナルドは油で揚げたチキンをパンにはさんでハンバーガーとして提供する。インドでは牛は神獣だから食べてはいけないのだ。ちなみに、結構おいしい。
そして一緒に頼んだシャカシャカポテト。
このシャカシャカポテトに入れたカレー粉がめちゃくちゃ辛い!
ポテトの味付けでこのレベルか! 日本でやったら「嫌がらせか!」っクレームくる辛さだぞ?
何か甘いものはないかと探したら、マクドナルドでチョコアイスを売ってました。くそぉ、商売上手め……。
そんな洗礼を浴びた後、いよいよカレー屋さんへ。
シャカシャカポテトであのレベルなのだから、まともにカレーを食べたらおなかどころか舌が壊れる、そう考えた僕は野菜カレーを注文した。野菜の甘みで辛さを抑える作戦だ。
僕は本来左利きで、スプーンも左手で使うのだけれど、ここはインドの文化にならって右手で食べてみた。う~ん、食べづらい。
そして肝心の味の方は……。
野菜の甘みなど無意味!
「食べ物を粗末にしない」がポリシーだったが、悶絶した挙句半分近くを残した。
「本場のインドカレーは口に合わない」。それを知ることもまた異文化交流である。
ピースボートの寄港地での食事③
アラブのパサパサした食事
ドバイ上陸前に、乗船していた大学教授の講義があった。
ピースボートで大学教授が講義した、と書くと「左翼的な講義か!?」と反応する人もいそうだが、普通の地理と文化の話だる。
アラブは乾燥しているので、米のような水を使って栽培する植物は育たない。なので小麦料理が多いのだそうだ。
実際、ドバイのスーパーで買った小麦のおやつは、とってもパサパサしていた。
また、日本のスーパーでは入ってまず生鮮食品、野菜売り場で新鮮な野菜が手に入るが、アラブで新鮮な野菜や果物を売っている場所はほとんど見かけなかった。代わりによく見るのがドライフルーツの量り売りだった。
ピースボートの寄港地での食事④
トルコで正体不明のメニューを頼んでみた
みんなでトルコのレストランで昼食をとった時のこと。
トルコ語も英語もわからない僕は、思い切って全く分からない料理を注文してみた。
すると店員さんが「スモール(これ、小さいよ)」
和食屋さんの小鉢みたいなのを想像したが、お金がないので「それでお願いします」と注文。
そして出てきたのがこちら。
食べかけにて失礼。
トマトとナスとひき肉の料理だ。これがとてもおいしかった。トルコのナスは日本のナスと比べるとジャガイモのような食感だった。
そして、量もまた適量。
一方、僕以外の人はみんな大盛りの料理がやってきた。
トルコ人の「スモール」は日本人にとっての「普通」だったのである。
ピースボートの寄港地での食事⑤
ギリシャの甘ったるいお菓子
口に合わないのは辛いものだけではない。甘すぎるのもまた口に合わない。
ギリシャでかった洋菓子がまさにそうだった(向こうのお菓子は全部洋菓子か)。
これがとにかく甘ったるい。
真ん中の赤い部分が甘ったるいのはまだわかる。
その周りのカタ焼そばみたいなやつも実は、甘ったるいのだ。
あんまりにも口に合わず、その辺のごみ箱に捨ててしまおうかと考えたが、食べ物を粗末にしないのが僕のポリシーであるため、「口に合わないなぁ」と思いながら完食した。
ピースボートの寄港地での食事⑥
メキシコのポテトとドンタコス
メキシコのコズメルに行ったときの話。町を一通り散策して、おやつを食べることに。小さめのファンキーなレストランに入って、ポテトフライにチーズをかけたものを注文した。
これが結構ボリューミーだった。ガストのポテト程度を想像していたのだが、普通の食事ぐらいの量はある。
「この後、夕飯食べられるかなぁ」と不安になる量だった。終盤はもはや満腹中枢との戦いだったと記憶している。
その夜、スーパーによった僕は、そこでドンタコス、によく似たお菓子を見つけた。
ドンタコスは日本のお菓子だが、メキシコっぽいパッケージだ。
ならば、本場メキシコのドンタコスはいったいどんな味なのか、買って食べてみた。
……本場のドンタコスは、日本のドンタコスより少し酸味がある。
まあ、だいたい本場の味って、キムチもそうだけど、酸っぱいよね。
ピースボートの寄港地での食事⑦
ペルー人大食い伝説
友達と二人でペルーのリマを観光した時のこと。別の友人から「ペルーは中華がおいしい」という情報を仕入れたので、中華料理屋に入った。
そこで僕は、焼そばだったか、皿うどんだったか、とにかくそういった麺料理を注文した。
パーソナルサイズとファミリーサイズがあり、当然ファミリーサイズを注文する。
だが、やってきた料理はどう見ても2.5人前。
顔を見合わせる僕ら。「もしかして、間違えてファミリーサイズ頼んじゃった?」
しかし、店員さんに確認するも、「パーソナルサイズ」とのこと。
明らかに2.5人前なのだが、「パーソナルサイズ」だったらしい。これまた満腹中枢との戦いだった。
その2日後、ビジャ・エルサルバドルという土煙の舞う町で現地の子供たちと交流するツアーに参加した時のこと。
みんなでいっしょに、近所のレストランで昼食をとった。
出てきたのは山盛りのポテトとチキンの丸焼き。あまり裕福な地域ではないのだが、こんなにもがっつりとしたものを食べれるとは。
ペルーの子供はこんながっつりとした料理を食べるのだなぁ。
と思ったら、子供たちはみんなチキンを残してた。そりゃそうだ。
っていうか、子供に合わせたメニュー出せよ! なんで、大人と同じもの持ってくるんだよ!
ピースボートの寄港地での食事⑧
タヒチは何もかも高い
最後に紹介するのはタヒチのグルメ。
と言っても、味ではなく物価の話。
タヒチはとにかく、何もかもが高い。
日本だったら100円のアイスがタヒチだったら400円。終始この感じだ。
「タヒチはいいところだけど、物価が高いから住めない」と仲の良いスタッフに行ったところ、「でも、現地で商売すればタヒチの物価にあった収入になるんじゃない?」と返ってきた。
どうだっただろうか。口に合わない料理も、食べきれない料理も、みな異文化交流である。ときには「よくわからない料理」を頼んでみるのもまた面白いものだ。